行動データを集めていても、確認やフォローが追いつかない。AIでメールを作っても、顧客ごとの内容にならない。こうした場面では、閲覧履歴と過去の商談をつないで考える作業が残っています。
この記事では、インテントデータとCRM、メールなどをAIから参照し、フォローの判断や下書き作成に活用する手順を説明します。
- インテントデータ×AIとは?
- なぜインテントデータだけでは不十分なのか
- インテントデータと顧客コンテキストを組み合わせる
- AIエージェントとは?
- AIエージェントは必ずしも完全自動ではない
- 従来の営業自動化とAIエージェントの違い
- 従来の自動化は「If A then B」
- AIエージェントは複数の情報から判断する
- インテントデータ×AIで実現できる営業フロー
- STEP1:顧客のインテントを検知する
- STEP2:誰が・何に関心を持ったのかを確認する
- STEP3:CRMや過去の営業履歴を確認する
- STEP4:現在のインテントを判断する
- STEP5:次の営業アクションを決める
- STEP6:フォローメールを作成する
- インテントデータ×AIで重要な3つの関連性
- 話すテーマの関連性
- 提供する情報の関連性
- 次のアクションの関連性
- MCPやAPIによってAIと営業データをつなぐ
- GRiXの閲覧データをAIエージェントに活用する
- AIに「閲覧ログだけ」を渡さない
- インテント検知からフォローまでつなげる
- AIによる営業自動化で注意すべきポイント
- データの正確性を確認する
- AIが判断した理由を確認できるようにする
- 送信まで完全自動化するかは慎重に判断する
- まとめ|インテントデータを「見る」から「AIが動く」へ
- インテントデータをAI営業につなげる「GRiX」
- 参考情報
インテントデータとは?BtoB営業での活用方法をわかりやすく解説
インテントデータ×AIとは?
インテントデータ×AIとは、顧客の行動データをAIで分析し、営業の判断やフォローに活用する考え方です。営業資料の再閲覧や料金ページの確認といった行動に、過去の商談内容を合わせて、次に案内する情報を考えます。
例えば、費用対効果を懸念していた顧客が料金ページと導入事例を見ていれば、検討材料として類似企業の事例を案内する方法があります。閲覧だけで購入意向を断定せず、これまでのやり取りを踏まえて判断します。
なぜインテントデータだけでは不十分なのか
資料の再閲覧を知らせる通知を受けても、それだけでは何を案内すべきか決められません。以前に話していた課題や、今回見られているページ、最後に連絡した時期を確認する必要があります。
例えば「A社の田中さんが資料を再閲覧した」という通知なら、まず前回の商談記録を読み返します。費用が論点だったのか、導入時期を待っていたのかによって、用意する情報も変わるためです。
インテントデータと顧客コンテキストを組み合わせる
営業でAIを使う際には、閲覧履歴とCRMの顧客情報、過去の商談記録、メールのやり取り、営業資料を組み合わせます。行動が起きた背景まで確認できれば、その顧客に今連絡する理由を整理しやすくなります。
AIに参照させる情報は、フォローの判断に必要な範囲に絞ります。例えば料金ページの閲覧がきっかけなら、前回の費用に関する懸念や、既に案内した内容を確認できると役立ちます。
AIエージェントとは?
AIエージェントは、与えられた目的に応じて情報を取得し、利用できるツールを使いながら処理を進める仕組みです。営業システムと接続していれば、顧客情報や閲覧履歴を調べ、フォローの候補やメールの下書きを作るといった使い方ができます。
例えば「今フォローすべき顧客を教えて」と依頼したときに、直近の行動と過去の商談を照合して候補を出す設計です。どの情報を読めるか、どこまで処理できるかは、接続するシステムや権限によって異なります。
AIエージェントは必ずしも完全自動ではない
AIが候補を挙げ、営業担当者が連絡の要否を決める運用もできます。メールについても、まずはAIが下書きを作り、人が確認して送るところから始められます。
顧客への連絡やCRMの更新をどこまで任せるかは、業務ごとに決めます。重要な操作には承認を挟むなど、担当者が確認できる形にしておくと運用しやすくなります。
従来の営業自動化とAIエージェントの違い
MAやSFAでは、フォーム送信後のメール配信や、スコアに応じた担当者への通知が使われてきました。こうした条件に沿った処理に加えて、AIエージェントでは複数の情報を参照した判断も支援できます。
従来の自動化は「If A then B」
「料金ページを閲覧したら営業担当へ通知する」というルールでは、あらかじめ決めた条件に当てはまると処理が動きます。実行条件が明確な定型業務に使いやすい方法です。
AIエージェントは複数の情報から判断する
AIエージェントは、料金ページの閲覧に加え、以前の商談で価格が課題になっていたことや、最近は導入事例も見られていることを判断材料にできます。
例えば、過去に価格面で検討を見送った顧客なら、現在の状況を確かめたうえで、費用対効果の検討に役立つ事例を案内する方法があります。AIが出した候補と理由を担当者が読み、実際の連絡内容を決めます。
インテントデータ×AIで実現できる営業フロー
営業フォローに組み込む際は、顧客の行動を捉え、過去のやり取りを確認したうえで、連絡の要否と内容を決めます。ここでは、その手順を6つに分けて説明します。
STEP1:顧客のインテントを検知する
Webサイトへの再訪、資料のダウンロード、営業資料の再閲覧などをきっかけに、顧客の動きを確認します。料金ページの閲覧や問い合わせも、関心の変化を考える材料になります。
どの行動を追うかは、取得できるデータと営業の進め方に合わせて決めます。ファーストパーティ・インテントデータの基本は、関連記事で詳しく説明しています。
ファーストパーティ・インテントデータとは?BtoB営業での活用方法
STEP2:誰が・何に関心を持ったのかを確認する
誰が、いつ、どのページを見たのかを確認します。再閲覧なのか、特定のページを詳しく見ているのかも、次に用意する情報を考える手がかりになります。
個人を識別できる場合と、企業単位までしか分からない場合では、連絡先を決める際の判断材料が異なります。取得できた範囲を確認してから営業に使います。
企業インテントと個人インテントの違い|BtoB営業で重要なのはどちら?
STEP3:CRMや過去の営業履歴を確認する
閲覧した顧客について、現在の商談状況や過去の課題、以前に送った情報、最後の接触時期を確認します。CRMの記録に加え、必要に応じてメールや商談履歴も参照します。
新しく資料請求した人と、以前に価格面で検討を見送った人とでは、同じ料金ページの閲覧でも背景が違います。これまでの経緯を確認すると、相手に合った連絡を考えやすくなります。
STEP4:現在のインテントを判断する
行動データと商談の背景を合わせて、今連絡する理由があるかを検討します。スコアの点数だけでなく、どんな行動があり、過去の課題とどう関係するかまで確認します。
例えば「昨日資料を再閲覧し、以前の商談で論点になった料金ページを確認している」という情報があれば、費用面の検討を支える情報を準備できます。ただし、検討再開の有無は連絡やその後のやり取りで確かめます。
インテントデータとリードスコアリングの違い|BtoB営業ではどう使い分ける?
STEP5:次の営業アクションを決める
情報収集が中心の顧客には関連資料を、導入事例を探している顧客には条件の近い事例を案内します。具体的に比較している場合は、料金や導入手順の説明が役立つこともあります。
打ち合わせを提案するか、まず資料で検討を進めてもらうかも、相手の状況に合わせて決めます。過去の商談がある場合は、そこで残った疑問を確認してから連絡します。
STEP6:フォローメールを作成する
メールの下書きには、今回連絡する理由と、相手の検討に役立つ情報を盛り込みます。AIに依頼する際も、過去に何を話し、何を案内済みかを渡しておくと、内容の重複を減らしやすくなります。
例えば、以前に費用対効果を懸念していた相手なら、同規模の企業の導入事例を検討材料として案内する文面が考えられます。実際に送る前に、事実関係と表現を担当者が確認します。
インテントデータ×AIで重要な3つの関連性
AIが作ったメールを確認するときは、話すテーマ、提供する情報、次にお願いする行動が、相手の状況に合っているかを見ます。文章が整っていても、この3点がずれると返信しにくい連絡になります。
話すテーマの関連性
相手が現在調べていることや、過去の商談で残った課題を起点に話題を選びます。導入事例への関心があるなら、その検討を助ける情報から案内する方が、連絡の目的も伝わりやすくなります。
提供する情報の関連性
課題を整理している段階なら考え方を説明する資料を、比較検討中なら機能や事例を、導入を具体化しているなら料金・手順・セキュリティの情報を用意します。既に渡した資料も確認し、新たに役立つ情報を選びます。
次のアクションの関連性
まず資料を読んでもらうのか、疑問点への返信をお願いするのか、個別相談を提案するのか。相手が進めやすい行動を選びます。情報収集の段階なら、関連資料を案内するだけで十分な場合もあります。
MCPやAPIによってAIと営業データをつなぐ
AIが営業システムの情報を使うには、データや機能にアクセスできる接続が必要です。APIを通じてCRMの情報を取得したり、MCP(Model Context Protocol)を使ってAIが利用するツールを接続したりする方法があります。
閲覧履歴の取得、CRMの検索、営業資料の参照など、必要な処理に合わせて連携を設計します。接続しただけで一連の営業業務が動くわけではないため、参照先と権限、実行する処理を個別に確認します。
GRiXの閲覧データをAIエージェントに活用する
GRiXでは、共有した資料や動画の閲覧者、閲覧日時、ページごとの滞在状況、再閲覧などを確認できます。問い合わせやアンケートと合わせて、顧客の関心を考える材料にできます。
取得できる閲覧情報を営業判断に使う際は、共有方法や顧客を識別できる範囲も確認します。
AIに「閲覧ログだけ」を渡さない
「田中さんが資料を閲覧した」という情報に、前回の商談内容やメール、顧客情報を合わせます。何を見たかに加え、相手がどんな課題を抱えていたかを確認できると、フォロー内容を具体化しやすくなります。
AIに渡す情報も、今回の判断に必要なものを選びます。過去の記録が古い場合は、現在も同じ状況かを確かめる必要があります。
インテント検知からフォローまでつなげる
GRiXで資料の再閲覧を捉えたら、まず関心がありそうなページを確認します。次にCRMと過去のメール・商談記録を参照し、以前の課題とのつながりを整理します。
その情報をもとに、AIが次に案内する資料やメールの下書きを用意し、営業担当者が内容と連絡の要否を確認します。閲覧の通知を受け取った後の作業までつなぐ使い方です。
AIによる営業自動化で注意すべきポイント
業務に組み込む前に、参照する情報の正確さ、判断理由の確認方法、人が承認する範囲を決めておきます。
データの正確性を確認する
CRMの更新が止まっていたり、担当者や商談状況が古かったりすると、AIが誤った前提で候補を出すことがあります。どの記録を正しい情報として扱うかを決め、更新日時も確認できるようにします。
AIが判断した理由を確認できるようにする
フォロー候補には、選んだ理由と参照した記録も添えます。例えば「昨日、過去の商談で論点だった料金ページを再閲覧した」という理由が分かれば、担当者は連絡するかどうかを判断しやすくなります。
理由の説明に使われた情報が正しいか、閲覧から推測しすぎていないかも確認します。
送信まで完全自動化するかは慎重に判断する
メールは、まずAIが下書きを作り、営業担当者が内容を確認して送る運用から始めるとよいでしょう。相手の状況を踏まえているか、誤った情報がないかを送信前に確かめられます。
自動送信まで任せる範囲は、運用しながら決めます。文面や送信条件が定まった定型的な連絡から検証し、例外が多いものや個別の判断が必要なものは担当者の確認を残します。
まとめ|インテントデータを「見る」から「AIが動く」へ
インテントデータを営業に使うには、顧客の行動を確認した後、過去のやり取りと照らし合わせて、連絡の要否と案内する情報を決める必要があります。AIは、そのための情報整理やフォロー案の作成を支援できます。
営業担当者が閲覧履歴、CRM、メールを一つずつ調べていた作業を、接続したAIにまとめて支援させる使い方です。まずは下書きと判断理由を人が確認するところから始め、どの範囲なら業務に任せられるかを検証していきます。
インテントデータをAI営業につなげる「GRiX」
GRiXは、営業資料や動画を共有した後の閲覧行動を確認できる営業コンテンツクラウドです。閲覧ページや滞在状況、再閲覧といった情報を、次のフォローを考える材料にできます。
CRMや過去の商談記録などと組み合わせて、AIによる情報整理やメールの下書き作成に活用する連携も検討できます。
公式サイト:https://www.aimytech.co.jp/grix
参考情報
AIセールスエージェントがCRM、会話データ、インテントシグナルなどを組み合わせ、営業の優先順位付けやパーソナライズに利用する考え方について、Salesforceの公開情報を参考にしています。
https://www.salesforce.com/jp/sales/ai-sales-agent/
CRM上の顧客・商談情報をAIエージェントから参照し、営業活動を支援する考え方について、Microsoft Learnの公開情報を参考にしています。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoft-sales-copilot/use-sales-chat
AIから外部ツールや社内データを利用するためのMCPの考え方について、OpenAIの公開情報を参考にしています。
https://help.openai.com/ja-jp/articles/11487775-connectors-in-chatgpt.webp
