- インテントデータ(Intent Data)とは?
- インテントデータは「購買意思」そのものではない
- なぜBtoB営業でインテントデータが注目されているのか
- 「どの企業か」だけでなく「今、動いている企業か」を見る
- インテントデータの種類
- ファーストパーティ・インテントデータ
- セカンドパーティ・インテントデータ
- サードパーティ・インテントデータ
- インテントデータにはどのような行動が含まれる?
- 「企業インテント」と「個人インテント」の違い
- 営業では「その企業の誰なのか」が重要になる
- 企業インテントと個人インテントは役割が異なる
- 営業で重要なのは「誰が・いつ・何に・どの程度」
- Who:誰が
- When:いつ
- What:何に
- How much:どの程度
- BtoB営業におけるインテントデータの活用方法
- 1. 営業の優先順位を付ける
- 2. アプローチするタイミングを判断する
- 3. 顧客の関心テーマを把握する
- 4. 営業フォローをパーソナライズする
- インテントデータとAIを組み合わせた営業自動化
- CRMや営業履歴と組み合わせることで、さらに精度が上がる
- インテントデータ活用で注意したいポイント
- 資料閲覧データも重要なファーストパーティ・インテントデータ
- 資料を「ダウンロードしたか」から「何を読んだか」へ
- まとめ|インテントデータは「今、誰が何に関心を持っているか」を理解するためのデータ
- 資料閲覧から個人インテントを可視化する「GRiX」
- 参考情報
「今、どの顧客が自社サービスに興味を持っているのか分からない」
「資料をダウンロードしたリードに一律でフォローしているが、本当に検討している人を見極められない」
BtoBマーケティングや営業の現場では、このような課題が少なくありません。
そこで注目されているのが、「インテントデータ(Intent Data)」です。
インテントデータを活用すると、企業や個人の行動から「何に関心を持っているのか」「検討度が高まっているのか」といった兆候を捉え、営業やマーケティングの優先順位付けに役立てることができます。
本記事では、インテントデータとは何か、その種類や具体例、BtoB営業での活用方法について分かりやすく解説します。
さらに、単に「どの企業が興味を持っているか」を把握するだけではなく、「誰が」「いつ」「何に」「どの程度」関心を示しているのかを把握する重要性についても紹介します。
インテントデータ(Intent Data)とは?
インテントデータとは、企業や個人の行動から、その人が何に関心を持っているのか、何を検討している可能性があるのかを読み取るための行動データです。
「Intent」は英語で「意図」「意向」を意味します。
BtoBマーケティングや営業では、Web検索、Webサイト閲覧、コンテンツ閲覧、資料ダウンロード、ウェビナー参加などの行動から、企業や担当者の関心テーマや検討状況を推測するために利用されます。
例えば、ある企業が短期間に「営業DX」「営業自動化」「SFA比較」「インサイドセールス効率化」といったテーマについて繰り返し情報収集しているとします。
この場合、その企業が営業領域の改善を検討している可能性があります。
また、自社サイトを訪れた企業が料金ページや導入事例を何度も閲覧している場合も、比較的強い関心を示している可能性があります。
このようなオンライン上の行動を、購買や検討の「シグナル」として捉える考え方が、インテントデータ活用の基本です。
インテントデータは「購買意思」そのものではない
注意したいのは、インテントデータが購買意思そのものを表しているわけではないことです。
料金ページを閲覧したからといって、必ず購入を検討しているとは限りません。
競合調査をしている可能性もあれば、単純な情報収集の可能性もあります。
そのため、一つの行動だけで「購入意欲が高い」と判断するのではなく、行動の種類、頻度、直近性、過去の営業接点などを組み合わせて判断することが重要です。
なぜBtoB営業でインテントデータが注目されているのか
従来のBtoB営業では、企業の属性情報をもとにターゲット企業を選定することが一般的でした。
例えば、以下のような情報です。
・業種
・従業員数
・売上規模
・所在地
・利用しているシステム
もちろん、こうした情報は現在でも重要です。
しかし企業属性だけでは、「その企業が今、自社の扱うテーマについて検討しているか」までは分かりません。
例えば、同じ従業員500名の製造業が2社あったとします。
A社は、ちょうど営業DXのプロジェクトを開始したところかもしれません。
一方でB社は、半年前に営業システムを刷新したばかりかもしれません。
企業属性だけを見れば似たターゲットに見えますが、実際に営業すべきタイミングは大きく異なります。
「どの企業か」だけでなく「今、動いている企業か」を見る
企業属性は、「Who=どのような企業なのか」を把握するためのデータです。
一方でインテントデータは、
「What=何に関心を持っているのか」
「When=いつ関心が高まっているのか」
を補完するデータと考えることができます。
つまり、単に「自社のターゲット企業」を探すだけではありません。
その中から、「今まさに動いている企業はどこか」を判断できることが、インテントデータの大きな価値です。
インテントデータの種類
インテントデータは、データをどこから取得するかによって、大きく3つに分類されます。
一般的には、
・ファーストパーティ・インテントデータ
・セカンドパーティ・インテントデータ
・サードパーティ・インテントデータ
の3種類です。
ファーストパーティ・インテントデータ
ファーストパーティ・インテントデータとは、自社が直接取得する行動データです。
例えば、以下のようなデータがあります。
・自社Webサイトの閲覧
・料金ページの閲覧
・資料ダウンロード
・メール内URLのクリック
・ウェビナーへの参加
・商談履歴
・営業資料の閲覧
・資料への再訪
自社との直接的な接点から得られるため、「自社や自社サービスに対してどの程度関心があるのか」を把握しやすいことが特徴です。
セカンドパーティ・インテントデータ
セカンドパーティ・インテントデータとは、他社が保有しているファーストパーティデータを、提携などを通じて利用するものです。
例えば、業界メディアや比較サイト上での閲覧・検索行動などが該当します。
特定のテーマや製品カテゴリについて、どのような企業が関心を高めているのかを把握するために活用されます。
サードパーティ・インテントデータ
サードパーティ・インテントデータは、自社サイト以外で発生している行動を、外部のデータソースから把握するものです。
例えば、Web上で特定テーマについて継続的に情報収集している企業を把握し、まだ自社サイトを訪問していない段階からターゲット候補を見つけるといった使い方があります。
つまり、自社との接点が生まれる前の「検討シグナル」を捉えられる可能性があることが特徴です。
なお、サービスによってはファーストパーティとサードパーティの2種類で整理されることもあります。
重要なのは分類そのものではなく、そのデータが「どこで発生し、何を意味しているのか」を理解することです。
インテントデータにはどのような行動が含まれる?
インテントデータとして利用できる行動はさまざまです。
代表的なものとして、以下があります。
・特定のキーワードを検索する
・自社サイトを訪問する
・製品ページを見る
・料金ページを見る
・導入事例を読む
・資料をダウンロードする
・メール内のリンクをクリックする
・ウェビナーに参加する
・営業資料を閲覧する
・特定ページを長時間閲覧する
・同じ資料を再度閲覧する
ここで重要なのは、すべての行動が同じ強さのインテントを示すわけではないことです。
例えば、「メールを開封した」という行動と、「料金ページを1週間で3回確認した」という行動では、そこから推測できる検討状況が異なります。
そのため、営業でインテントデータを利用する場合には、「行動したかどうか」だけではなく、「その行動から何が分かるのか」まで考える必要があります。
「企業インテント」と「個人インテント」の違い
BtoB営業でインテントデータを活用するときに重要なのが、データの「解像度」です。
例えば、
「A社が営業DXについて調べている」
という情報が分かれば、A社への営業優先度を高める判断材料になります。
こうした企業単位のインテントは、新しい営業対象を発見したり、ABMで優先企業を選定したりする際に有効です。
ただし、実際に営業担当者がアプローチするときには、もう少し詳しい情報が必要になります。
営業では「その企業の誰なのか」が重要になる
例えば、
「A社の誰が興味を持っているのか」
「何について興味を持っているのか」
「どの程度具体的に検討しているのか」
といった情報です。
仮に、
「A社の田中さんが、先週送ったサービス資料を再度閲覧し、導入事例と料金に関するページを重点的に確認している」
ことまで分かれば、営業担当者が取るべきアクションは大きく変わります。
単に「その後いかがでしょうか」と連絡するのではなく、同規模企業の導入事例を案内したり、料金体系や導入条件について補足したりできます。
つまり、相手の関心に合わせた営業フォローができるようになります。
企業インテントと個人インテントは役割が異なる
企業インテントは、「どの企業を追うべきか」を判断するためのデータです。
一方で、個人・コンテンツ単位のインテントは、「誰に、いつ、何を伝えるべきか」を判断するためのデータです。
どちらか一方が優れているわけではありません。
営業プロセスのフェーズによって、必要となるインテントデータの解像度が異なります。
営業で重要なのは「誰が・いつ・何に・どの程度」
インテントデータを実際の営業アクションにつなげるには、「インテントがある」という一つの指標だけを見るのでは不十分です。
特に重要なのが、以下の4つの視点です。
Who:誰が
どの企業なのかだけではなく、可能であれば、どの担当者が行動したのかまで把握します。
When:いつ
行動が発生したタイミングです。
数か月前の行動よりも、昨日や今日発生した行動のほうが、現在の関心を反映している可能性があります。
What:何に
相手がどのテーマに関心を持っているのかです。
機能、料金、導入事例、セキュリティなど、関心テーマによって提供すべき情報も変わります。
How much:どの程度
一度だけ閲覧したのか、繰り返し確認しているのか、どの程度読み込んでいるのか、といった関心の強さです。
この4つを組み合わせることで、単なる行動ログを、営業判断に使えるインテントデータへと変えることができます。
BtoB営業におけるインテントデータの活用方法
インテントデータは、営業活動のさまざまな場面で活用できます。
1. 営業の優先順位を付ける
代表的なのが、フォローすべき顧客の優先順位付けです。
すべてのリードに同じ工数をかけるのではなく、直近で具体的な行動が発生している顧客から優先的にフォローします。
これにより、営業リソースを有効に活用しやすくなります。
2. アプローチするタイミングを判断する
BtoB営業では、「誰に営業するか」と同じくらい「いつ営業するか」が重要です。
資料を再閲覧した。
料金ページを確認した。
特定テーマについて情報収集が増えた。
こうしたタイミングを捉えることで、顧客の関心が高まったタイミングでアプローチできます。
3. 顧客の関心テーマを把握する
顧客が何に興味を持っているのかが分かれば、営業の会話も変わります。
導入事例への関心が高ければ、類似企業の事例を案内できます。
料金への関心が高ければ、費用や導入条件について具体的に説明できます。
「誰を追うか」だけではなく、「何を伝えるか」まで判断できることが、インテントデータの大きなメリットです。
4. 営業フォローをパーソナライズする
インテントデータを活用すると、全員に同じメールを送るのではなく、相手の行動に合わせた営業フォローが可能になります。
例えば、導入事例を重点的に見ている顧客には事例を中心に案内する。
料金ページへの関心が高い顧客には、料金や導入条件について補足する。
このように、顧客の関心に合わせて提供する情報を変えることができます。
インテントデータとAIを組み合わせた営業自動化
インテントデータの活用は、営業担当者がダッシュボードを見て判断するだけにとどまりません。
AIと組み合わせることで、営業判断の一部を支援・自動化することも可能です。
例えば、
・誰をフォローすべきか
・どのタイミングで連絡すべきか
・相手は何に興味を持っているのか
・どの情報を提供すべきか
・どのようなメールを送るべきか
といった判断です。
CRMや営業履歴と組み合わせることで、さらに精度が上がる
例えば、
インテントデータ
+
CRMの顧客情報
+
過去の商談履歴
+
メールや架電履歴
をAIが参照するとします。
すると、
「この顧客は料金ページへの関心が高く、前回の商談でも導入費用が論点になっていたため、料金体系と類似企業の事例を案内する」
といった判断が可能になります。
つまり、インテントデータは単なる分析用データではありません。
AIが次の営業アクションを判断するための重要な入力データにもなります。
インテントデータ活用で注意したいポイント
インテントデータは有効ですが、「スコアが高い=すぐに購入する」というわけではありません。
競合調査、情報収集、社内説明のための閲覧など、さまざまな理由で行動は発生します。
そのため、
・顧客属性
・過去の営業接点
・商談状況
・行動したコンテンツ
・行動の頻度
・行動の直近性
などを組み合わせて判断することが重要です。
また、Webサイトや個人の行動データを取得・利用する場合には、プライバシーやデータ保護への配慮も必要です。
「データを取得できるか」だけではなく、「顧客にとって不自然な営業になっていないか」という視点も重要になります。
資料閲覧データも重要なファーストパーティ・インテントデータ
自社で取得できるインテントデータの中でも、BtoB営業との相性が良いものの一つが「資料閲覧データ」です。
一般的な資料ダウンロードでは、「資料をダウンロードした」ことまでは分かります。
しかし、その後、
・本当に資料を読んだのか
・どのページを読んだのか
・どこに関心を持ったのか
・どの程度読み込んだのか
・後日もう一度確認したのか
までは分からないケースが多くあります。
資料の閲覧状況まで取得できれば、「資料DL」という一度のコンバージョンだけではなく、その後の検討行動を継続的にインテントとして捉えることができます。
資料を「ダウンロードしたか」から「何を読んだか」へ
営業コンテンツクラウド「GRiX」では、顧客に共有した資料について、ページ単位の閲覧状況や滞在時間、再閲覧などの行動を可視化できます。
これにより、
「資料を送った人全員を追う」
のではなく、
「資料を実際に読み、具体的な関心を示している人を優先して追う」
という営業活動が可能になります。
また、どのページに関心があるかを把握することで、単純な優先順位付けだけではなく、次に提供する情報や営業メールの内容を変えることもできます。
企業単位のインテントで「どの企業が動いているか」を見つける。
その後、個人・資料単位のインテントで「誰が、何に関心を持っているか」を把握する。
このように複数のインテントデータを組み合わせることで、より解像度の高い営業活動につなげることができます。
まとめ|インテントデータは「今、誰が何に関心を持っているか」を理解するためのデータ
インテントデータとは、企業や個人の行動から、関心テーマや検討状況を推測するためのデータです。
従来の企業属性だけでは分からなかった、「今、どの企業の関心が高まっているのか」を把握できることから、BtoBマーケティングや営業におけるターゲティング、優先順位付け、アプローチタイミングの最適化などに利用されています。
ただし、「インテントがある企業を見つける」だけでは、必ずしも営業成果につながりません。
実際の営業アクションにつなげるためには、
「誰が」
「いつ」
「何に」
「どの程度」
関心を持っているのかまで、インテントデータの解像度を高めることが重要です。
企業インテントから個人インテントへ。
さらに、関心テーマや検討度まで把握することで、「誰に営業するか」だけでなく、「いつ、何を伝えるか」まで判断できる営業へと変えていくことができます。
資料閲覧から個人インテントを可視化する「GRiX」
GRiXは、営業資料や動画を共有した後の顧客行動を可視化し、「誰が・いつ・何に・どの程度」関心を持っているのかを把握できる営業コンテンツクラウドです。
資料をダウンロードしたかどうかだけではなく、その後の閲覧ページや滞在時間、再閲覧などの行動を捉えることで、フォローすべき顧客の優先順位付けや、相手の関心に合わせた営業アプローチに活用できます。
公式サイト:https://www.aimytech.co.jp/grix
参考情報
インテントデータおよびBuyer Intentの一般的な考え方について、以下の公開情報を参考にしています。
LinkedIn Sales Solutions
Guide to Buyer Intent
https://business.linkedin.com/sell/resources/sales-terms/buyer-intent
HubSpot
Buyer Intent
https://www.hubspot.com/products/crm/intent
Salesforce
Sales Intelligence
https://www.salesforce.com/sales/sales-intelligence/
Adobe Experience League
Intent Data
https://experienceleague.adobe.com/en/docs/journey-optimizer-b2b/user/admin/configurations/intent-data
