- 企業インテントとは?
- 個人インテントとは?
- 企業インテントと個人インテントの違い
- 企業インテントは「どの企業を追うか」に強い
- FitとIntentを組み合わせる
- 個人インテントは「誰に・何を伝えるか」に強い
- 「A社が興味を持っている」だけでは営業しにくい
- 個人の行動が分かるとアクションが具体的になる
- BtoB営業では「企業」だけを見れば十分ではない理由
- Buying Groupという考え方
- 「企業か個人か」の二択ではない
- 企業インテントと個人インテント、営業で重要なのはどちら?
- 新規開拓では企業インテントが有効
- 既存リードのフォローでは個人インテントが重要
- 営業で見るべきインテントの4つの解像度
- Who:誰が
- When:いつ
- What:何に
- How much:どの程度
- 資料閲覧データは個人インテントを把握しやすい
- コンバージョンだけでなく、その後の行動を見る
- GRiXで個人・コンテンツ単位のインテントを可視化
- 「追うべき人」と「話すべきテーマ」を同時に判断する
- AIによって企業インテントと個人インテントを組み合わせる
- 「検知」から「営業アクション」までつなげる
- まとめ|企業インテントで企業を見つけ、個人インテントで営業アクションを決める
- 資料閲覧から個人インテントを可視化する「GRiX」
- 参考情報
「インテントデータを活用して、関心が高まっている企業を見つけたい」
BtoB営業やマーケティングでは、このような取り組みが広がっています。
一方で、実際に営業活動へつなげようとすると、
「その企業の誰に連絡すればよいのか」
「何について話せばよいのか」
「本当に今フォローすべきなのか」
と迷うことも少なくありません。
その理由の一つが、企業単位のインテントだけでは、具体的な営業アクションを決めるための情報が不足する場合があるためです。
そこで重要になるのが、「企業インテント」と「個人インテント」の違いです。
企業インテントは、どの企業の関心が高まっているのかを把握するために役立ちます。
一方、個人インテントまで把握できれば、「誰が」「何に」「どの程度」関心を持っているのかまで理解できます。
本記事では、企業インテントと個人インテントの違い、それぞれのメリットや活用方法、BtoB営業ではどのように使い分けるべきなのかを解説します。
なお、インテントデータそのものの意味や種類については、以下の記事で詳しく解説しています。
▶️ インテントデータとは?BtoB営業での活用方法をわかりやすく解説
企業インテントとは?
企業インテントとは、企業単位で特定のテーマや製品・サービスへの関心が高まっていることを示すシグナルです。
例えば、ある企業に所属する人たちが、一定期間に「営業DX」「SFA」「営業自動化」といったテーマについて繰り返し情報収集しているとします。
このような行動を捉えることで、
「A社では営業DXに対する関心が高まっている可能性がある」
と判断できます。
ほかにも、
・特定テーマについてのリサーチが増えている
・自社Webサイトへの訪問が増えている
・製品ページへのアクセスが発生している
・企業の資金調達や事業拡大が発表された
・特定領域の採用を強化している
といった情報も、企業の購買可能性を判断するシグナルとして利用されることがあります。
企業インテントの大きな特徴は、営業すべき企業を見つけることに適している点です。
個人インテントとは?
個人インテントとは、企業ではなく、個々の担当者や見込み顧客の行動から関心や検討状況を捉える考え方です。
例えば、
「A社が営業DXについて調査している」
だけではなく、
「A社の田中さんが営業DXの資料を閲覧している」
「料金に関するページを重点的に確認している」
「数日後に同じ資料を再閲覧している」
といった情報まで把握します。
個人単位で行動を把握できると、その人が何に興味を持ち、どの程度検討している可能性があるのかを、より具体的に理解できます。
インテントデータは、企業単位だけでなく、既知の個人やBuying Groupといった複数の階層で捉えることもできます。
つまり、インテントデータは必ずしも「企業の関心」だけを意味するものではありません。
企業インテントと個人インテントの違い
企業インテントと個人インテントの最も大きな違いは、「誰の関心を把握しているか」です。
企業インテントでは、
どの企業が関心を持っているのか
を把握します。
個人インテントでは、
その企業の誰が、何に関心を持っているのか
まで把握します。
例えば、企業インテントによって、
「A社では営業DXに対する関心が高まっている」
ことが分かったとします。
これは営業対象を選定するうえで非常に有効です。
しかし実際に営業担当者がアプローチしようとすると、
「A社の誰に連絡するのか」
「何を提案するのか」
という判断が必要になります。
個人インテントまで取得できれば、
「A社の田中さんが営業効率化についての資料を閲覧している」
「特に導入事例と料金に関するページへの関心が高い」
といった形で、より具体的な営業判断ができるようになります。
企業インテントは「どの企業を追うか」に強い
企業インテントが特に有効なのは、営業対象となる企業を発見する場面です。
まだ自社との接点がない企業であっても、特定テーマについての関心が高まっていることを把握できれば、新しい営業対象として検討できます。
例えば、自社が営業DXツールを提供している場合、
「営業DX」
「インサイドセールス」
「営業自動化」
「SFA」
などのテーマについて調査している企業を特定します。
その中から、自社のターゲットとなる業種や企業規模に該当する企業を優先することで、営業リストの精度を高めることができます。
FitとIntentを組み合わせる
企業インテントを営業に活用する際には、企業属性との組み合わせが重要です。
例えば、
Fit:自社のターゲットに合っているか
と、
Intent:今、関心が高まっているか
を組み合わせます。
自社のターゲットに合っていても、現在ニーズがなければ営業の優先度は高くないかもしれません。
反対に、強い関心を示していても、自社の対象外となる企業であれば営業効率は下がります。
「ターゲットとして適切であり、かつ今動いている企業」を見つけるために、企業インテントは有効です。
個人インテントは「誰に・何を伝えるか」に強い
企業インテントによって営業すべき企業が分かっても、営業活動はそこで終わりではありません。
実際には、
「誰に連絡するか」
「何について話すか」
「どのタイミングで連絡するか」
を決める必要があります。
ここで個人インテントが重要になります。
「A社が興味を持っている」だけでは営業しにくい
例えば、
「A社が営業DXについて調べている」
という情報だけを営業担当者に渡したとします。
営業担当者は、
「誰に連絡すればいいのだろう」
「営業DXの何に興味があるのだろう」
「今電話しても大丈夫なのだろうか」
と考えることになります。
つまり、企業としての関心は分かっても、具体的な営業アクションへの変換には、もう一段階の判断が必要になります。
個人の行動が分かるとアクションが具体的になる
一方で、
「A社の田中さんが、以前送った資料を昨日再閲覧した」
「導入事例を重点的に確認している」
「料金に関するページも閲覧している」
ことまで分かったとします。
すると、
誰に
→ 田中さん
いつ
→ 関心が再び高まった今
何について
→ 導入事例や料金について
フォローすればよいことが分かります。
このように個人インテントは、営業対象を発見するというより、営業アクションの解像度を上げるためのデータとして活用できます。
BtoB営業では「企業」だけを見れば十分ではない理由
BtoBでは、商品やサービスを購入するのは企業です。
そのため、一見すると企業インテントだけを見れば十分に思えるかもしれません。
しかし、実際に情報収集や比較検討を行うのは「人」です。
さらにBtoBの購買では、一人だけで意思決定するとは限りません。
担当者、上司、決裁者、利用部門、情報システム部門など、複数の人物が意思決定に関わるケースがあります。
そのため、
「企業として関心があるか」
だけではなく、
「企業の中で誰が動いているのか」
を見ることが重要になります。
Buying Groupという考え方
企業インテントと個人インテントの中間にある考え方として、「Buying Group(購買グループ)」があります。
Buying Groupとは、BtoBの購買意思決定に関わる複数の人物を一つのグループとして捉える考え方です。
例えば、新しい営業システムを導入する場合、
・実際にサービスを利用する営業担当者
・営業部門の責任者
・決裁を行う経営層
・システムを確認する情報システム部門
・契約を確認する法務・購買部門
など、複数の人物が関与する可能性があります。
BtoB営業では、企業単位だけではなく、Buying Groupや個人単位のエンゲージメントを見ることで、購買プロセスをより正確に把握しやすくなります。
「企業か個人か」の二択ではない
そのため、BtoB営業では、
企業
↓
Buying Group
↓
個人
という複数のレイヤーでインテントを見ることが理想的です。
企業インテントから対象企業を見つける。
Buying Groupから、購買に関わる人たちを把握する。
個人インテントから、具体的に誰がどのテーマに関心を示しているのかを把握する。
このように段階的に解像度を高めることで、営業アクションにつなげやすくなります。
企業インテントと個人インテント、営業で重要なのはどちら?
結論から言えば、どちらか一方だけが重要なのではありません。
営業プロセスによって役割が異なります。
企業インテントは、
「どの企業を追うべきか」
を判断することに適しています。
一方、個人インテントは、
「誰に、いつ、何を伝えるべきか」
を判断することに適しています。
新規開拓では企業インテントが有効
まだ自社と接点のない企業を開拓する場合、最初から個人の行動を取得することは難しい場合があります。
そのため、
「自社のターゲット企業の中で、現在関心が高まっている企業はどこか」
を企業インテントから探します。
営業リストをゼロから作る場面や、ABMのターゲット企業を絞り込む際には、企業インテントが特に有効です。
既存リードのフォローでは個人インテントが重要
一方、すでに資料請求や商談、イベントなどで接点のあるリードの場合は、個人単位のインテントが重要になります。
例えば、
「以前商談した担当者が資料を再閲覧した」
「過去に失注した顧客が料金情報を確認している」
「資料請求した担当者が導入事例を重点的に見ている」
といった変化を捉えることができれば、営業フォローのきっかけになります。
特に休眠顧客や商談後のフォローでは、「営業担当者が決めたタイミング」ではなく、顧客自身が再び動いたタイミングでアプローチできることが大きなメリットです。
こうしたインテントデータを実際の営業活動にどうつなげるかについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
▶️ インテントセールスとは?従来の営業との違いと実践方法をわかりやすく解説
営業で見るべきインテントの4つの解像度
個人インテントを営業アクションにつなげる際には、単に「閲覧した」という事実だけを見るのでは不十分です。
重要なのは、
Who:誰が
When:いつ
What:何に
How much:どの程度
という4つの視点です。
Who:誰が
まず、誰が行動したのかを把握します。
同じ企業でも、現場担当者と決裁者では必要な情報や営業アプローチが異なる可能性があります。
When:いつ
次に、行動がいつ発生したのかを確認します。
数か月前の閲覧より、昨日や今日発生した行動のほうが、現在の関心を反映している可能性があります。
特に、過去に商談した顧客が突然資料を再閲覧した場合は、検討が再開した可能性を考えることができます。
What:何に
「何を見たのか」は、営業コミュニケーションを考えるうえで重要です。
料金を見たのか。
導入事例を見たのか。
機能を見たのか。
セキュリティを見たのか。
同じ「資料閲覧」でも、関心を示している内容によって、次に提供すべき情報は変わります。
How much:どの程度
最後に、どの程度の関心があるのかを見ます。
一度ページを開いただけなのか。
資料全体を閲覧しているのか。
特定ページを繰り返し見ているのか。
後日もう一度確認しているのか。
こうした行動の強さを組み合わせることで、より精度の高い営業判断につなげられます。
資料閲覧データは個人インテントを把握しやすい
個人インテントを取得する方法の一つが、営業資料の閲覧データです。
一般的な資料ダウンロードでは、
「田中さんが資料をダウンロードした」
ことは分かります。
しかし、その後、
「本当に資料を読んだのか」
「どのページを見たのか」
「何に興味を持ったのか」
「後からもう一度見たのか」
までは分からない場合があります。
営業資料の閲覧データを取得できれば、この「ダウンロード後の行動」をインテントとして活用できます。
コンバージョンだけでなく、その後の行動を見る
例えば、同じ日に資料をダウンロードした2人がいたとします。
Aさんは資料を開いたものの、最初の数ページだけを確認しました。
Bさんは資料全体を読み、導入事例と料金に関するページを重点的に閲覧し、3日後にもう一度資料を確認しました。
「資料ダウンロード」というコンバージョンだけを見れば、2人の評価は同じです。
しかし、その後の閲覧行動を見ると、関心の強さには大きな違いがある可能性があります。
個人単位のインテントを見ることで、こうした違いを営業の優先順位に反映できます。
GRiXで個人・コンテンツ単位のインテントを可視化
営業コンテンツクラウド「GRiX」では、顧客に共有した資料や動画の閲覧状況を可視化できます。
例えば、
・誰が閲覧したか
・いつ閲覧したか
・どのページを閲覧したか
・どのページに長く滞在したか
・何度閲覧したか
・再度閲覧したか
といった行動です。
これにより、
「A社が興味を持っている」
という企業単位の情報だけではなく、
「A社の田中さんが、料金や事例に関心を示している」
という個人・コンテンツ単位の情報まで営業判断に活用できます。
「追うべき人」と「話すべきテーマ」を同時に判断する
個人インテントの価値は、単にホットな人を見つけられることだけではありません。
どのコンテンツの、どの部分に関心を持っているかまで分かれば、
「誰を追うか」
と同時に、
「何について話すか」
も判断できます。
例えば、導入事例への関心が高ければ、類似企業の事例を案内する。
料金への関心が高ければ、費用や契約条件について補足する。
このように、顧客の行動を営業コミュニケーションにつなげることができます。
AIによって企業インテントと個人インテントを組み合わせる
企業インテントと個人インテントは、それぞれ単独で利用するだけでなく、組み合わせることでさらに価値が高まります。
例えば、
企業インテント
+
個人の資料閲覧データ
+
CRMの顧客情報
+
過去の商談履歴
+
メールや架電履歴
をAIが参照できるようにします。
すると、
「どの企業を優先するか」
「その企業の誰に連絡するか」
「何に関心があるのか」
「過去にどのような話をしているのか」
をまとめて判断できます。
さらにAIが、その情報をもとに次のアクションやフォローメールを生成することも可能です。
「検知」から「営業アクション」までつなげる
これからのインテント活用では、単にダッシュボード上でデータを見るだけではなく、
インテントを検知する
↓
企業・担当者を特定する
↓
CRMや過去の接点を確認する
↓
顧客の関心を判断する
↓
次のアクションを決める
という一連の流れをつなげることが重要です。
企業インテントと個人インテントを組み合わせることで、「ホットな企業の発見」から「具体的な営業アクション」まで、一貫した仕組みを作りやすくなります。
まとめ|企業インテントで企業を見つけ、個人インテントで営業アクションを決める
企業インテントと個人インテントは、どちらか一方を選ぶものではありません。
それぞれ役割が異なります。
企業インテントは、
「どの企業を追うべきか」
を判断するために有効です。
個人インテントは、
「誰に、いつ、何を伝えるべきか」
を判断するために有効です。
新規開拓では企業インテントから関心の高い企業を発見し、自社と接点を持った後は個人インテントによって営業の解像度を高める。
このように使い分けることで、インテントデータを実際の営業成果につなげやすくなります。
そして重要なのは、インテントデータを単なるスコアとして見るのではなく、
「誰が」
「いつ」
「何に」
「どの程度」
関心を示したのかを理解することです。
企業の関心を見つけるだけで終わらず、その企業の中で動いている「人」を捉える。
そこまでインテントの解像度を高めることで、BtoB営業は「誰に営業するか」から、「誰に、いつ、何を伝えるか」まで判断できるようになります。
資料閲覧から個人インテントを可視化する「GRiX」
GRiXは、営業資料や動画を共有した後の顧客行動を可視化し、「誰が・いつ・何に・どの程度」関心を持っているのかを把握できる営業コンテンツクラウドです。
資料をダウンロードしたかどうかだけではなく、その後の閲覧ページや滞在時間、再閲覧などの行動を捉えることで、フォローすべき顧客の優先順位付けや、相手の関心に合わせた営業アプローチに活用できます。
公式サイト:https://www.aimytech.co.jp/grix
参考情報
企業・個人・Buying Group単位でのインテントデータの考え方について、Adobe Experience Leagueの公開情報を参考にしています。
また、企業のWebサイト訪問、リサーチ行動、営業・マーケティング上のエンゲージメントなどを購買シグナルとして集約し、営業の優先順位付けに利用する考え方について、HubSpotの公開情報を参考にしています。
