- リードスコアリングとは?
- リードスコアリングで評価する主な要素
- Fit:自社のターゲットに合っているか
- Engagement:どの程度接点があるか
- リードスコアリングだけでは判断しづらいこと
- 過去の行動が積み上がっている場合がある
- 同じ行動でも意味が異なる
- 何に関心があるのかまでは分かりにくい
- インテントデータとは?
- インテントデータとリードスコアリングの違い
- 「スコア」と「シグナル」の違いを理解する
- インテントデータはリードスコアリングの代わりになる?
- BtoB営業では「今」をどう評価するかが重要
- 3か月前の70点と昨日の40点はどちらを追うべきか
- 企業インテントと個人インテントでも役割が異なる
- インテントデータをリードスコアリングに組み込む方法
- 1. 直近性を評価する
- 2. 行動の種類によって重みを変える
- 3. 行動の深さを見る
- 4. 関心テーマをスコアとは別に残す
- 「スコアが高い人」ではなく「今追うべき人」を見つける
- インテントデータから営業アクションまでつなげる
- AIを使えばスコアとインテントを同時に判断できる
- スコアリングからNext Best Actionへ
- 資料閲覧データをリード評価に活用する
- GRiXで「スコアの先」の顧客行動を可視化
- 「追う・追わない」だけでなく「何を話すか」まで判断する
- まとめ|リードスコアリングにインテントデータを組み合わせる
- 資料閲覧から個人インテントを可視化する「GRiX」
- 参考情報
「リードスコアが高い顧客からフォローしているが、なかなか商談につながらない」
「メール開封や資料ダウンロードでスコアは上がっているものの、本当に今検討しているのか分からない」
BtoBマーケティングや営業では、このような課題が少なくありません。
見込み顧客の優先順位を判断する方法として、以前から広く使われているのが「リードスコアリング」です。
一方で、企業や個人の具体的な行動から、現在の関心や検討状況を捉える「インテントデータ」の活用も広がっています。
どちらも営業の優先順位を判断するために利用できますが、役割は同じではありません。
リードスコアリングは、複数の属性や行動を一定のルールで点数化し、「総合的にどの程度有望なリードなのか」を判断する仕組みです。
一方、インテントデータは、「今、何に関心を持っているのか」「どのような検討行動が発生しているのか」を捉えるためのデータです。
本記事では、インテントデータとリードスコアリングの違い、それぞれの特徴、BtoB営業でどのように組み合わせるべきかをわかりやすく解説します。
インテントデータそのものの意味や種類について知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
▶️ インテントデータとは?種類・仕組み・BtoB営業での活用方法を解説
リードスコアリングとは?
リードスコアリングとは、見込み顧客の属性や行動に点数を付け、商談や受注につながる可能性を評価する仕組みです。
例えば、以下のような条件に点数を設定します。
・従業員数500名以上:+10点
・営業部門に所属:+10点
・資料をダウンロード:+5点
・メール内のURLをクリック:+3点
・料金ページを閲覧:+10点
・ウェビナーに参加:+15点
それぞれの点数を合計し、
「50点以上になったら営業へ引き渡す」
といったルールを設定します。
営業担当者がすべてのリードを一件ずつ確認するのではなく、一定の基準で有望な顧客を絞り込めることが、リードスコアリングの大きなメリットです。
リードスコアリングで評価する主な要素
一般的なリードスコアリングでは、大きく「Fit」と「Engagement」という2つの視点から評価します。
Fit:自社のターゲットに合っているか
Fitは、その企業や担当者が自社の理想的な顧客像にどの程度合っているかを表します。
例えば、
・業種
・従業員数
・売上規模
・地域
・部署
・役職
などです。
自社の主要ターゲットが「従業員500名以上で法人営業組織を持つ企業」であれば、その条件に近い企業ほど高い評価を設定します。
Engagement:どの程度接点があるか
Engagementは、自社との接点や行動を評価します。
例えば、
・メールを開封した
・メール内のURLをクリックした
・Webサイトを訪問した
・資料をダウンロードした
・ウェビナーに参加した
といった行動です。
FitとEngagementを組み合わせることで、
「自社のターゲットに合っていて、かつ自社への反応も多い顧客」
を優先できます。
リードスコアリングだけでは判断しづらいこと
リードスコアリングは営業の優先順位を整理するうえで有効ですが、スコアだけでは分かりにくい情報もあります。
過去の行動が積み上がっている場合がある
例えば、あるリードが過去半年間に、
資料ダウンロード:+10点
セミナー参加:+15点
メールクリック:+5点
Webサイト訪問:+10点
という行動をして、合計40点になっていたとします。
一方、別のリードは昨日初めて料金ページを確認し、営業資料を詳しく読み始めたものの、スコアはまだ20点かもしれません。
単純な累積スコアだけを見れば、前者のほうが有望に見えます。
しかし、「今まさに検討が動いているのはどちらか」という観点では、後者のほうが営業すべきタイミングである可能性があります。
この問題を補うため、一定期間行動がない場合にスコアを下げる「スコア減衰」を設ける方法もあります。
同じ行動でも意味が異なる
「資料をダウンロードした」という行動も、すべて同じ意味とは限りません。
資料をダウンロードして、その後ほとんど読んでいない人。
資料全体を読み、料金や事例ページを繰り返し確認している人。
どちらも「資料ダウンロード+10点」として扱えば、スコア上は同じです。
しかし、実際の検討状況には大きな違いがある可能性があります。
何に関心があるのかまでは分かりにくい
スコアが70点だったとしても、
「なぜ70点なのか」
「今、何に関心を持っているのか」
「営業担当者は何を話すべきなのか」
までは分からない場合があります。
リードスコアリングは「誰を優先するか」を判断することには適しています。
一方で、その後の営業アクションを決めるためには、より具体的な顧客行動を見る必要があります。
インテントデータとは?
インテントデータとは、企業や個人の行動から、「何に関心を持っているのか」「何を検討している可能性があるのか」を読み取るための行動データです。
例えば、
・特定テーマについて情報収集している
・料金ページを繰り返し閲覧している
・導入事例を重点的に確認している
・営業資料を閲覧している
・過去に送った資料を再閲覧している
といった行動です。
リードスコアリングが複数の情報を「点数」に変換する仕組みであるのに対して、インテントデータは、その点数の背景にある具体的な行動や関心を捉えるものと考えると分かりやすいでしょう。
インテントデータとリードスコアリングの違い
両者の大きな違いは、「何を判断したいのか」です。
リードスコアリングは、
「この顧客は総合的にどの程度有望か」
を判断することに向いています。
一方、インテントデータは、
「今、どのような関心や検討行動が発生しているか」
を理解することに向いています。
例えば、
「Aさんのリードスコアは75点」
という情報がリードスコアリングです。
一方、
「Aさんが昨日、営業資料を再閲覧し、料金ページと導入事例を重点的に確認した」
という情報がインテントデータです。
前者からは「優先度が高そう」という判断ができます。
後者からは、
「今フォローしたほうがよさそう」
「料金や導入事例について関心がありそう」
という、より具体的な営業判断ができます。
「スコア」と「シグナル」の違いを理解する
リードスコアリングとインテントデータを理解するうえで、「スコア」と「シグナル」の違いを整理すると分かりやすくなります。
スコアは、複数の情報を集約して一つの数値にしたものです。
シグナルは、その数値を構成する一つひとつの具体的な変化や行動です。
例えば、
リードスコア:80点
だけを見るのではなく、
「昨日、料金ページを閲覧した」
「今朝、過去に送付した資料を再閲覧した」
「導入事例のページを詳しく確認した」
というシグナルまで見ることで、顧客の状態をより具体的に理解できます。
営業担当者にとって重要なのは、スコアの高低だけではありません。
「なぜ今この顧客を追うべきなのか」が分かることです。
インテントデータはリードスコアリングの代わりになる?
インテントデータとリードスコアリングは、どちらか一方を選ぶものではありません。
むしろ、組み合わせて活用することで、営業の優先順位をより判断しやすくなります。
例えば、
Fit
+
Engagement
+
Intent
という3つの視点で顧客を評価します。
Fitでは、自社のターゲットに合っているかを見る。
Engagementでは、自社とどの程度接点があるかを見る。
Intentでは、今どのような検討行動が発生しているかを見る。
この3つを組み合わせることで、
「自社に合っている」
「過去に接点がある」
だけではなく、
「今、具体的な関心が高まっている」
顧客を見つけやすくなります。
実際に、インテントシグナルをリードスコアリングの条件として利用し、企業や見込み顧客の優先順位付けに反映する考え方も広がっています。
BtoB営業では「今」をどう評価するかが重要
リードスコアリングにインテントデータを組み合わせる大きなメリットは、「タイミング」を評価しやすくなることです。
BtoB営業では、ターゲット企業であることだけでは商談につながりません。
顧客側で具体的な検討が始まっているタイミングを捉える必要があります。
3か月前の70点と昨日の40点はどちらを追うべきか
例えば、
Aさん
3か月前までにさまざまな施策に反応
リードスコア:70点
直近1か月の行動:なし
Bさん
昨日営業資料を閲覧
料金と導入事例を詳しく確認
リードスコア:40点
という2人がいたとします。
スコアだけならAさんを優先するかもしれません。
しかし、直近のインテントを見ると、Bさんの検討が今まさに動いている可能性があります。
この「直近性」は、営業タイミングを判断するうえで非常に重要です。
企業インテントと個人インテントでも役割が異なる
インテントデータ自体にも解像度の違いがあります。
企業インテントでは、
「どの企業の関心が高まっているか」
を把握できます。
個人インテントでは、
「その企業の誰が、何に関心を持っているか」
まで把握できます。
例えば、
「A社の営業DXに対するインテントが高い」
という情報があれば、A社を優先企業にできます。
さらに、
「A社の田中さんが昨日営業資料を再閲覧し、料金と導入事例を確認している」
ところまで分かれば、
誰に連絡するか。
いつ連絡するか。
何について話すか。
まで具体化できます。
企業インテントと個人インテントの違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
▶️ 企業インテントと個人インテントの違い|BtoB営業で重要なのはどちら?
インテントデータをリードスコアリングに組み込む方法
実際に両者を組み合わせる場合、いくつかの考え方があります。
1. 直近性を評価する
まず、行動がいつ発生したのかを評価します。
昨日発生した行動と、3か月前の行動を同じ点数にしないようにします。
例えば、
直近7日以内の重要行動:+15点
30日以上行動なし:−10点
といった形です。
一定期間活動がなければ点数を下げる「スコア減衰」を設定する方法もあります。
2. 行動の種類によって重みを変える
すべての行動を同じ点数にする必要はありません。
例えば、
ブログ記事を閲覧した
ことと、
料金ページを閲覧した
ことでは、検討との距離が異なる可能性があります。
自社の商談・受注データを確認し、どの行動が商談につながりやすいのかを分析して重みを設定します。
3. 行動の深さを見る
単にページを開いたかだけではなく、その後どの程度行動したのかを見ます。
例えば営業資料の場合、
資料を開いた
↓
資料の大部分を閲覧した
↓
重要ページを詳しく閲覧した
↓
数日後に再閲覧した
では、読み取れるインテントが異なります。
コンバージョンの有無だけでなく、その後の行動の深さを見ることで、より実際の検討状況に近い判断ができます。
4. 関心テーマをスコアとは別に残す
すべてを一つの点数に集約してしまうと、「何に興味を持っているのか」が見えなくなる場合があります。
そのため、
総合スコア:75点
関心テーマ:料金・導入事例
直近のシグナル:昨日資料を再閲覧
といった形で、スコアと具体的なインテントを両方確認できる状態が理想的です。
「スコアが高い人」ではなく「今追うべき人」を見つける
リードスコアリングの本来の目的は、点数を付けることではありません。
営業担当者が、
「今、誰を優先すべきか」
を判断できるようにすることです。
そのため、スコアそのものが目的になってしまうと、本来の価値が失われます。
例えば、
「80点以上だから営業する」
というルールだけではなく、
「なぜ80点なのか」
「直近でどのような行動が起きているのか」
「相手は何に関心を持っているのか」
まで確認できれば、営業担当者はより適切なアプローチを判断できます。
インテントデータから営業アクションまでつなげる
インテントデータの価値は、「ホットな顧客を見つけること」だけではありません。
重要なのは、その情報を実際の営業アクションにつなげることです。
例えば、
「導入事例を重点的に閲覧している」
のであれば、類似企業の事例を案内する。
「料金ページを確認している」
のであれば、費用や契約条件について補足する。
「以前送った資料を再閲覧している」
のであれば、検討が再開している可能性を踏まえてフォローする。
このように、
顧客の行動
↓
関心テーマを理解する
↓
次に提供する情報を決める
↓
営業アクションにつなげる
という流れを作ることが重要です。
インテントデータを実際の営業活動に活用する「インテントセールス」については、以下の記事でも詳しく解説しています。
▶️ インテントセールスとは?従来の営業との違いと実践方法をわかりやすく解説
AIを使えばスコアとインテントを同時に判断できる
リードスコアやインテントデータが増えるほど、営業担当者がすべての情報を一件ずつ確認することは難しくなります。
そこで活用できるのがAIです。
例えば、
リードスコア
+
直近のインテントデータ
+
CRMの顧客情報
+
過去の商談履歴
+
メールや架電履歴
をAIが参照できるようにします。
すると、
「この顧客はスコア自体はそれほど高くないが、昨日資料を再閲覧しており、過去の商談でも課題になっていた料金ページを重点的に確認しているため、優先してフォローする」
といった判断が可能になります。
スコアリングからNext Best Actionへ
これまでのリードスコアリングでは、
データを取得する
↓
点数を付ける
↓
営業担当者が確認する
という運用が中心でした。
AIを組み合わせることで、
データを取得する
↓
インテントを検知する
↓
CRMや過去の接点を確認する
↓
今フォローすべきか判断する
↓
次に伝える内容を決める
↓
営業メールやアクションを提案する
という流れまでつなげることができます。
つまり、スコアリングによる「優先順位付け」から、顧客ごとの「次に取るべきアクション」の判断へと進められます。
資料閲覧データをリード評価に活用する
営業資料の閲覧データは、個人単位のインテントを把握するうえで有効なデータの一つです。
一般的な資料ダウンロードでは、
「資料を取得した」
ことは分かります。
しかし、その後、
「実際に資料を読んだのか」
「どのページを確認したのか」
「何に関心を持ったのか」
「何度確認したのか」
までは分からない場合があります。
例えば、同じ資料をダウンロードした2人でも、
Aさん
資料を開いて数ページだけ閲覧
Bさん
資料全体を閲覧し、導入事例と料金ページを重点的に確認。数日後に再閲覧
という違いがあるかもしれません。
資料ダウンロードだけをスコアリングすれば、2人は同じ評価になります。
しかし、資料閲覧のインテントまで見ると、Bさんを優先してフォローしたほうがよい可能性があります。
GRiXで「スコアの先」の顧客行動を可視化
営業コンテンツクラウド「GRiX」では、顧客に共有した資料や動画について、個人・コンテンツ単位の閲覧行動を可視化できます。
例えば、
・誰が閲覧したか
・いつ閲覧したか
・どのページを閲覧したか
・どのページに長く滞在したか
・何度閲覧したか
・再度閲覧したか
といった情報です。
これにより、
「リードスコアが何点か」
だけではなく、
「今、誰がどの情報に関心を持っているのか」
まで営業判断に活用できます。
「追う・追わない」だけでなく「何を話すか」まで判断する
例えば、
導入事例を詳しく閲覧している場合は、類似企業の事例を案内する。
料金ページへの関心が高い場合は、費用や契約条件について補足する。
過去に商談した顧客が再び資料を閲覧した場合は、検討が再開した可能性を踏まえてフォローする。
このように資料閲覧データを活用すると、
「誰を追うか」
だけではなく、
「何について話すか」
まで判断できるようになります。
まとめ|リードスコアリングにインテントデータを組み合わせる
リードスコアリングとインテントデータは、どちらか一方を選ぶものではありません。
リードスコアリングは、
「総合的にどの顧客を優先すべきか」
を判断するために有効です。
インテントデータは、
「今、誰が何に関心を持っているのか」
を理解するために有効です。
そのため、BtoB営業では、
Fit:自社のターゲットに合っているか
Engagement:自社とどの程度接点があるか
Intent:今、具体的な検討行動が起きているか
を組み合わせて考えることが重要です。
そして、スコアだけを見るのではなく、
誰が
いつ
何に
どの程度
関心を示しているのかまで理解することで、営業アクションの精度を高めることができます。
「スコアの高い顧客を追う」から、「今、動いている顧客を適切な内容で追う」へ。
インテントデータを組み合わせることで、リードスコアリングをより実際の営業活動につながる仕組みに変えていくことができます。
資料閲覧から個人インテントを可視化する「GRiX」
GRiXは、営業資料や動画を共有した後の顧客行動を可視化し、「誰が・いつ・何に・どの程度」関心を持っているのかを把握できる営業コンテンツクラウドです。
資料ダウンロードやメールクリックといった一度の行動だけではなく、その後の閲覧ページ、滞在時間、再閲覧などを捉えることで、フォローすべき顧客の優先順位付けや、相手の関心に合わせた営業アプローチに活用できます。
公式サイト:https://www.aimytech.co.jp/grix
参考情報
リードスコアリングにおけるFit、Engagement、スコア減衰などの考え方について、HubSpotの公開情報を参考にしています。
また、Intent Signalを営業・マーケティングにおける優先順位付けやスコアリングに利用する考え方について、HubSpot、Salesforce、Adobeの公開情報を参考にしています。
