インサイドセールスが難しいと言われる理由と解決策


目次


インサイドセールスの導入は年々増加しています。インドに本社を構え、Fortune 500企業のパートナーでもあるMaximize Market Research社の調査によると、インサイドセールスツールの市場規模は2023年から2029年にかけて平均10.3%で成長する見込みです。

その一方で、「インサイドセールス導入の難しさ」に直面している企業も少なくありません。本記事では、インサイドセールスの導入はなぜ難しいのか、その理由と、それぞれの解決策をご紹介します。

これからインサイドセールスを導入する方も、すでに導入し難しさを感じている方も、ぜひ参考にしてみてください。

|インサイドセールスが難しいと言われる理由と解決策

それでは、インサイドセールスが難しいと言われる主な理由は、以下の9つです。

  1. モチベーションを維持しにくい

  2. 専門人材を確保しにくい

  3. 社内に前例・ノウハウがない

  4. 周囲からの理解を得にくい

  5. 初期段階から結果を求められる

  6. 1人あたりの担当案件が多い

  7. 情報共有不足を起こしやすい

  8. 案件化のタイミングが難しい

  9. 質の高いアポを獲得できない

それぞれの理由について詳しく解説し、その解決策をご紹介します。

1. モチベーションを維持しにくい


インサイドセールスは、電話やメール、チャットツールなどを用いてオンライン中心で展開する営業手法です。オンラインで営業活動の効率性を高められる反面、やり取りをしている相手の顔が見えないため反応を読み取りにくく、モチベーションを維持するのが難しいことが多々あります。

また、後述する「周囲からの理解を得にくい」といった理由からもモチベーションを維持しにくいため、インサイドセールスの導入初期では士気が高くても、次第に下降していくケースは少なくありません。モチベーションの低下が業績に影響し、インサイドセールス導入を断念するケースもあります。

<解決方法>

まず大切なのは、「インサイドセールスとはどんな営業手法か?」を、営業マネジャーだけでなくチーム全体が理解することです。インサイドセールスは非対面の営業手法であり、見込み顧客と直接やり取りをするフィールドセールスに比べると、相手の反応・感情を読み取りにくいのは当然です。

しかしだからこそ、相手の一挙手一投足に左右されずにコミュニケーションを取れることや、営業活動の効率性を高められることがインサイドセールスの利点です。こうした利点を最大限に意識しながら、インサイドセールスのデメリットを「デメリットではなく当然のこととして受け入れる」というマインド(心構え)が必要です。

また、営業マネージャーはインサイドセールスチーム全体がこうしたマインドを持てるよう、1on1ミーティングを定期的に実施するなどのメンタルケアが欠かせません。

2. 専門人材を確保しにくい


日本国内でのインサイドセールス導入はまだ始まったばかりであり、インサイドセールスに長けた専門人材を確保しにくいという業界事情もあります。

ちなみにインサイドセールスの専門人材とは、BtoBにおける営業プロセス全体を理解し、必要に応じてプロセスの再構築から分業化などを行え、高いインサイドセールススキルを持つ人材のことです。

そもそも、日本国内でインサイドセールスを専門職として捉え始められたのは最近のことです。一方、米国におけるインサイドセールス人材の平均年収は約880万円と高く、専門人材の確保が進んでいます(Indeedの平均年収データより)。

<解決方法>

インサイドセールスの専門人材を外部から確保する方法もありますが、まずは「社内で専門人材を育てる」ことに注力するのがセオリーです。

近年ではインサイドセールスに関するセミナーやワークショップも増えており、インサイドセールスの方法論を説く書籍も出版されています。インサイドセールス・コンサルティングを短期間で依頼し、ノウハウを学ぶのも効果的です。

インサイドセールスの専門人材を育てるときはインプットに注力させるだけでなく、アウトプットの場もしっかりと与えましょう。理論を現場に落とし込み、独自のノウハウとして積み上げていければ、効果的なインサイドセールスを実践できるようになります。

3. 社内に前例・ノウハウがない


インサイドセールスを導入する企業のほとんどは、社内に前例やノウハウがありません。したがって、意思決定を下すまでに時間がかかり、スピード感を持ってインサイドセールスに取り組めないため、「うちの会社には合わない営業手法だった」と見切りをつけてしまうケースが少なくないのです。

しかし、インサイドセールスの導入・運用を成功させるために必要なのは前例やノウハウではなく、正しいやり方を理解し、スピード感を持って分析・改善に取り組むことです。

<解決方法>

社内に前例やノウハウがない企業では、まず「インサイドセールスの正しいやり方」を知りましょう。オンラインのコミュニケーションツールを闇雲に導入しても、「インサイドセールスのようなもの」しか実践できず、効果的な営業手法にはなりません。

インサイドセールスは、以下のステップに従って実践するのがおすすめです。

  1. 導入の目的とゴールを決める

  2. 明確なターゲットを設定する

  3. 顧客獲得のシナリオを考える

  4. 適切なアプローチ手法を決める

  5. 部門ごとの連携について考える

  6. 必要なコンテンツを用意する

  7. インサイドセールスを実践する

詳しくは以下の記事で解説しているので、本記事と合わせて参考にしてみてください。

4. 周囲からの理解を得にくい


社内に前例がない場合、インサイドセールスは周囲から「理解できない部門」として見られる可能性があります。インサイドセールス部門で必死になって業務にあたっているメンバーからすれば、精神的に辛く、モチベーションが低下する大きな原因になります。

また、「インサイドセールスから上がってくる見込み顧客の質が悪い」と、フィールドセールス部門から責任追及されるケースも少なくありません。こうした環境下で精神的・身体的に、健全に業務を進めるのは不可能です。

<解決方法>

営業・マーケティング全体で「インサイドセールスに責任がある」という認識を捨てる必要があります。そのためには、インサイドセールスは1つの部門であり、営業・マーケティングという大きなチームの一員であるという意識を定着させましょう。

まず重要なのは、「部門を超えた共通認識」と「スムーズな情報共有環境」を整備することです。その上で、部門に関係なくコミュニケーションが取れる空間づくり、イベント企画などを行い、営業・マーケティングの団結を生むことが大切です。

5. 初期段階から結果を求められる


インサイドセールスは営業部門の一員なので、結果を求められることは当然です。しかしながら、インサイドセールス導入の初期段階から結果を求められ、そのストレスによってモチベーション低下につながったり、早い段階で見切りを付けられたりするケースがあります。

また、インサイドセールスは営業部門でありながらクロージングまでは行わないため、「数字的な結果」による評価が難しい部門です。これにより、「フィールドセールスは評価されるのにインサイドセールスは評価されない」という不満を生み出すこともあります。

<解決方法>

この課題の解決として大切なのは、「インサイドセールスの効果測定を継続的に行う」ことです。インサイドセールスが実施する施策を数字的に評価できる環境を整え、営業実績に対してどの程度貢献しているかを可視化します。

そのためにも、インサイドセールスでは営業分析やKPI設定などが欠かせません。以下の記事では、営業・インサイドセールスの分析や、KPI設定について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

6. 1人あたりの担当案件が多い


インサイドセールスでは1人あたりに担当する案件数が多く、業務過多に陥るケースがあります。業務負担が大きくなるほどミスや情報伝達不足が起きやすくなり、フィールドセールスに供給する見込み顧客の質も低下しがちです。

また、企業によってはインサイドセールスとフィールドセールスの業務範囲が明確ではなく、インサイドセールスに負担が集中しているケースも見受けられます。

<解決方法>

まずは、インサイドセールスとフィールドセールスの業務範囲を明確にした上で、適切な営業プロセスを構築しましょう。営業プロセスの見える化については、『【組織強化】営業プロセスを見える化するには? | 具体策と組織浸透』で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

また、インサイドセールスの負担をどう軽減するかも重要です。人員増加が難しい場合は、インサイドセールスツールの導入により、業務の効率化と精度向上を図るのがおすすめです。以下の記事では、インサイドセールスツールのおすすめをご紹介しているので、本記事と合わせて参考にしてみてください。

7. 情報共有不足を起こしやすい


インサイドセールスを導入すると営業部門内での分業化が進みます。また、従来以上に「チームで営業する」ことの重要性が増します。これにより情報共有不足を起こしやすく、インサイドセールスの導入・運用を難しくしている要因の1つになっています。

情報共有不足を起こすと、インサイドセールスが見込み顧客に描いている「シナリオ/ストーリー」がフィールドセールスに伝わらず、その後の商談・クロージングが上手くいきません。インサイドセールスとフィールドセールスの対立関係を生む原因にもなるため、早急な解決が必要です。

<解決方法>

まずは「部門を超えた共通認識」を作りましょう。たとえば、ターゲットとなる見込み顧客の「ペルソナ」や「カスタマージャーニー」を作成し、これを営業部門全体で共有します。

また、情報共有すべき項目や共有のルールなど、インサイドセールスとフィールドセールスが同じ認識で業務にあたれる環境を整えることも重要です。さらに、インサイドセールスとフィールドセールスが互いの業務を理解できるよう、営業マネージャー主導でチームビルディングを行いましょう。

8. 案件化のタイミングが難しい


インサイドセールスにおいて、「案件化のタイミングを見極めるのが難しい」という声をよく聞きます。事実、インサイドセールスはオンライン中心の営業手法なので、相手の反応や感情を読み取りにくく、検討度合いがどれくらい醸成しているかの判断が最も難しいポイントです。

案件化のタイミングを見誤ると「取れる受注も取れない」という状況が続き、営業部門での立場も危うくなります。

<解決方法>

インサイドセールスはオンラインツールを活用した営業手法です。従って、「案件化のタイミングを見極めるのが難しい」という課題もツールによって解決できます。

たとえば、弊社が提供する「GRiX(グリックス)」は、見込み顧客と共有した営業資料がどのように読まれているかを、AIによって解析するインサイドセールスツールです。見込み顧客が営業資料のどの部分に興味・関心を持ち、検討度合いがどれくらい進んでいるのかを可視化できるため、案件化のタイミングを見極めるにあたって重要なデータを収集できます。

こうしたデータを蓄積しながら受注獲得に至ったパターンと照らし合わせていけば、案件化見極めの精度をさらに高めていけます。インサイドセールスが持つ課題の多くは、こうしたインサイドセールスツールによる解決が可能です。

9. 質の高いアポを獲得できない


インサイドセールスに積極的に取り組んではいるものの、「質の高いアポを獲得できない」と嘆くケースが少なくありません。とりわけフィールドセールス中心の営業活動を展開してきた企業では、インサイドセールスのノウハウが少なく、アポ取りから苦労することが多いです。

質の高いアポを多く獲得することは、受注確度の高い見込み客を多く生み出すのに欠かせない要素です。

<解決方法>

質の高いアポを獲得できないのには、いくつかの原因があります。まずはその原因を知り、課題を1つずつ解決していくことが大切です。たとえば「架電するタイミング」を変えるだけでも、アポとの取得率は大きく変わります。

以下の記事では、「アポが取れない」と悩んでいる営業パーソンや営業マネージャーに向けて、アポ取りの問題点と改善策について紹介しています。インサイドセールスで質の高いアポを獲得できないと悩んでいる場合は、ぜひ参考にしてみてください。

|インサイドセールスを成功させるためには

最後に、インサイドセールスを成功させるために欠かせない、3つのポイントをご紹介します。これらのポイントを押さえた上でインサイドセールスの導入あるいは改善に取り組んでみてください。

インサイドセールスの正しいやり方を理解する


これからインサイドセールスの導入を行う場合は、「インサイドセールスの正しいやり方」をまずは理解しましょう。また、すでにインサイドセールスを導入している企業でも、正しいやり方を改めて理解すれば、現状課題を解決するヒントが見つかります。

これについては、『【売れる】インサイドセールスのやり方とは?』をご覧ください。当該記事ではインサイドセールスの基本や4つの型、正しいやり方や成功させるためのコツまで詳しく解説しています。

継続的に分析・環境する環境を整える


インサイドセールスは短期間で成功する営業手法ではありません。導入の初期フェーズでは、想定した成果を得られないことも多いでしょう。だからこそ、「継続的に分析・環境する環境」を整え、自社なりの営業手法として確立していく必要があります。

とりわけ重要なのは、「適切なKGI・KPI」を設定することです。KGI(重要達成指標)はインサイドセールスを実施する短期的なゴールであり、KPI(重要業績指標)はKGIを達成するために欠かせない定量的な目標です。

このKGI・KPIを適切に設定できるかどうかで、インサイドセールスの分析・改善のしやすさが変わります。インサイドセールス分析については、『インサイドセールスを成功させる分析 | 課題発見から改善施策』で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

インサイドセールスツールを有効活用する


インサイドセールスを成功させるポイントの最後は、「インサイドセールスツールを有効活用する」です。前述した「GRiX(グリックス)」のように、インサイドセールスに足りないデータを補完したり、業務効率を向上させたりするツールは数多く提供されています。

そうしたインサイドセールスツールの導入・活用ありきで取り組むことにより、インサイドセールスが持つさまざまな課題を解決しながら、インサイドセールスを導入・運用できるのが大きなメリットです。

『【2025年最新版/目的別】インサイドセールスツール16選 | 成果を最大化するツール比較』では、特におすすめのインサイドセールスツールを厳選してご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

|まとめ

インサイドセールスは導入・運用の難しい営業手法です。しかし、さまざまな課題を解決し、新しい営業手法として確立できれば、新規顧客獲得や売上向上、業務効率アップなどさまざまな効果が期待できます。

これからインサイドセールスを導入する方も、すでに導入し難しさを感じている方も、本記事を通じてインサイドセールスの課題解決のヒントを見つけていただければ幸いです。

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