目次
- |営業プロセスの見える化とは?
- |営業プロセスの見える化はなぜ必要なのか
- |営業プロセスを見える化する7つのメリット
- 1. セールスイネーブルメントの実現
- 2. 情報共有がスムーズに進む
- 3. 営業部門の共通認識を生み出せる
- 4. 営業マネジメントが正しくまわる
- 5. 人材育成を効率よく行える
- 6. 一貫したサービス提供につながる
- 7. 公正・公平な人事評価を行えます
- |営業プロセスの見える化から再設計までのステップ
- 1. 見える化のスコープを明確にする
- 2. 営業プロセスのフロー図を作成する
- 3. プロセスごとの業務を要素分解する
- 4. 重要な業務とそうでない業務を分ける
- 5. 必要なデータやツールを明確にする
- 6. 排除・統合・交換・簡素化を検討する
- 7. 以上の情報をもとに営業プロセスを再設計する
- 8. 継続的なフィードバック・改善を行う
- |営業プロセスを見える化するときの注意点
- |営業プロセスを見える化したらツール導入を考えよう
- |まとめ

営業プロセス(リードの獲得〜成約・フォローアップまで)の見える化を行うためには、適切なステップを踏む必要があります。さらに、「解像度の高い見える化」によって、営業プロセスの再設計など「見える化の先」まで考えた取り組みが欠かせません。
そこで本記事では、営業プロセスを見える化するステップや実施のメリット、そもそも営業プロセスの見える化はなぜ必要なのかなど、営業プロセスに関する基本的なポイントを解説します。
「営業プロセスを見える化すべき」と考えてはいるけれど、どのように見える化するのか、見える化を営業改善にどうつなげるのかと悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
|営業プロセスの見える化とは?

営業プロセスの見える化とは、リードの獲得から成約、成約後のフォローアップに至るまで、「営業活動の全工程を可視化すること」です。また、その後の改善に向けた取り組みまでを含めて、営業プロセスの見える化と呼ぶケースもあります。
企業ごとの営業プロセスは、同じように見えても細かい点で異なっています。そのため、営業改善は「業界の一般的な営業プロセス」に沿って考えるのではなく、独自のプロセスがあることを再認識し、課題の発見、改善策の立案を進める必要があります。
つまり、営業プロセスの見える化は営業改善の初めの一歩であり、解像度の高い見える化を行えるか否かで、その後の取り組みの成否が大きく変わります。
|営業プロセスの見える化はなぜ必要なのか

多くの営業責任者は、「営業プロセスを見える化する必要がある」と考えています。しかし、その本質的な理由を理解できていない方も多く、見える化のスコープ(目的・目標・範囲)が曖昧になりがちです。そこで、営業プロセスの見える化はなぜ必要なのかを、まずは明確に認識しなければいけません。
<営業プロセスの見える化が必要とされる理由>
企業の購買プロセスが複雑化している
これに合わせて営業プロセスを再設計する必要がある
営業担当者ごとのスキル差が大きい
現状では部門全体のパフォーマンスを上げられない
営業プロセスがブラックボックス化している
課題の発見が遅れ、最適な改善策を見つけられない
市場での競争力を失う
競合にシェアを奪われる
事業撤退(または倒産)のリスクがある
営業プロセスの見える化を早急に行い、営業改善に努めなければ、「事業撤退(または倒産)」という最悪のシナリオが待っています。これは決して大袈裟な表現ではなく、現代ビジネスにおいて営業プロセスの見える化と、それに伴う営業改善は極めて重要な課題なのです。
|営業プロセスを見える化する7つのメリット

効果の高い営業プロセスの見える化を行うためには、営業責任者が見える化のメリットを認識し、部下に正しく伝え、部門全体で営業プロセスの見える化と営業改善に取り組んでいくことが大切です。それでは、営業プロセスを見える化するメリットを整理してみましょう。
1. セールスイネーブルメントの実現
セールスイネーブルメントとは、営業部門全体や担当者個人の、営業力を高めるための取り組みです。このセールスイネーブルメントは現代ビジネスにおいて世界的な潮流であり、あらゆる営業部門に求められている要素・体制です。
セールスイネーブルメントの実現には営業プロセスの見える化が欠かせず、解像度の高い見える化を行っている組織ほど、営業部門全体と担当者個人の大幅なパフォーマンス向上を実現しています。
2. 情報共有がスムーズに進む
営業プロセスで見える化するのは、リード獲得から成約、成約後のフォローアップまで「営業担当者がどのようなアクションを取るか」に加えて、「営業活動で生まれる情報の流れ」も可視化していきます。
その過程で、情報共有のボトルネックになっていた部分を特定・改善し、営業部門全体の情報共有をスムーズに進められるようになります。これにより、部門内のコミュニケーションは従来よりも円滑に回るようになります。
3. 営業部門の共通認識を生み出せる
「営業部門全体でパフォーマンスを上げていこう」というときに肝要なのが、「営業の共通認識」です。
たとえば、「お客様がWebサイトから資料をダウンロードした」という行為に対して感じることは、営業担当者ごとに異なります。この認識がズレていると、上司と部下、あるいは同僚同士での建設的な対話を阻むリスクがあります。
営業プロセスの見える化を通じてさまざまな部分での共通認識を作り出せば、建設的な対話によって営業活動をスムーズに進められるだけでなく、部門内の軋轢を防げる可能性もあります。
4. 営業マネジメントが正しくまわる
営業プロセスの見える化を通じて、情報共有がスムーズになり、営業部門の共通認識を生み出せば、営業責任者のマネジメントは正しく回りはじめます。営業マネジメントに悩んでいる責任者の多くは、「自分には能力がない」と思い込んでいます。
しかし実際のところは、責任者個人の能力の問題ではなく、営業情報を一見的に管理する環境が整っていないこと、部下との認識がズレており建設的な対話ができていないことが、問題となっているケースが少なくありません。
したがって、営業プロセスの見える化や営業ツールの導入により、営業マネジメントの問題を改善できるケースもまた多いのです。
5. 人材育成を効率よく行える
現代ビジネスにおける営業担当者の育成に欠かせないのは、根拠となるデータを示し、論理的な方法で成長を導く事です。これには、以下のような2つの理由があります。
根性論で推し進める営業スタイルが通用しない時代になった
Z世代は論理的かつ客観的な情報を重視し、先行きの見えない行動に不満を抱く傾向がある
こうした理由から、営業プロセスの見える化を徹底して行い、データや論理的かつ客観的な情報から、人材教育を実施する必要があります。
6. 一貫したサービス提供につながる
営業プロセスを見える化する目的の1つは、「営業スキルや営業活動の標準化」です。営業部門で効果的な営業活動を定義し、これをもとにスキル向上や活動支援を目指すことで、顧客に一貫したサービスを提供できるようになります。
「一貫したサービス」は顧客にとって安心材料の1つであり、顧客満足度向上につながる要素でもあります。
7. 公正・公平な人事評価を行えます
営業プロセスの見える化を通じて「営業スキルや営業活動の標準化」を実現すれば、より公正・公平な人事評価を行えるようになります。
公正・公平な人事評価は「従業員エンゲージメント(会社への愛着や共感)」の向上につながり、離職率低下、仕事のモチベーション向上、企業業績のアップなどあらゆる面でプラスに働きます。
そのため、営業プロセスの見える化を通じて公正・公平な人事評価を目指すことも、営業部門にとって重要な使命と言えるでしょう。
|営業プロセスの見える化から再設計までのステップ

それでは、営業プロセスの見える化から、再設計するまでのステップをご紹介します。基本としてはこれら8つのステップに従って見える化・再設計を進めることで、効果的な取り組みが行えるのでぜひ参考にしてみてください。
1. 見える化のスコープを明確にする
営業プロセスの見える化でまず大切なのは、「スコープ(目的・目標・範囲)」を明確にすることです。スコープを明確にせず、場当たり的に取り組んでも効果の高い取り組みにはなりません。そのため、以下の情報を整理してみましょう。
目的:なぜ営業プロセスを見える化するのか?
目標:何をゴールとするのか?(KGI・KPI設定)
範囲:どこまで・いつまで・誰を対象にやるのか?
こうしたスコープを明確にするだけで、見える化の解像度は劇的に向上します。
2. 営業プロセスのフロー図を作成する
次に、現状の営業プロセスのフロー図(フローチャート)を作成してみましょう。フロー図とは以下のように、営業担当者と顧客、および営業情報の流れを示した図を指します。

フロー図の形式は問いません。大切なのは、「営業部門の誰が見てもわかるフロー図を作成すること」です。フロー図の作成により、営業プロセスの見える化における共通認識を作り出せます。
3. プロセスごとの業務を要素分解する
営業プロセスのフロー図を作成したら、プロセスごとの業務を要素分解しましょう。たとえば、「顧客に提案資料を提出する」という1つのプロセスの中には、さまざまな業務が含まれています。
パワーポイントを立ち上げる
テンプレートを選ぶ
資料を作成する
上司に資料の確認・承認をもらう
資料を顧客に送信する
etc.
このように、プロセスごとに業務を要素分解してこそ、営業改善に向けた課題点や改善策が見えてきます。
4. 重要な業務とそうでない業務を分ける
続いて、営業プロセスごとに重要な業務とそうでない業務を分けましょう。業務の分け方については、「重要性」と「緊急性」でマトリクス図を作成するのがおすすめです。

営業プロセスごとのマトリクス図を作成すると、重要な業務とそうでない業務を分けやすくなり、営業プロセスの見える化だけでなくその後の改善に大きく役立ちます。
5. 必要なデータやツールを明確にする
次に、営業プロセスごとに必要なデータやツールを明確にしていきましょう。このステップでは、「2. 営業プロセスのフロー図を作成する」で作成したフロー図に、データやツールを書き込んでいくのがおすすめです。
現代ビジネスでは、営業活動において「データやツールをいかに活用するか」が重要であるため、営業プロセスの見える化と同時に、データやツールの取扱・導入について考えると、より効果的な営業プロセスを再設計できます。
6. 排除・統合・交換・簡素化を検討する
ここまでのステップが完了したら、営業プロセスやプロセスごとの業務の、「排除・統合・交換・簡素化(ECRSのフレームワーク)」を検討しましょう。
ECRSのフレームワーク | ||
E | Eliminate(排除する) | プロセスまたは業務を排除しムダをなくす |
C | Combine(統合する) | プロセスまたは業務を統合し効率的にする |
R | Rearrange(交換する) | プロセスまたは業務を交換しやりやすくする |
S | Simplify(簡素化する) | プロセスまたは業務を簡素化し生産性を上げる |
営業プロセスや業務ごとに、「E・C・R・S」の順番で改善策を検討することで、より効果的な営業改善に取り組めます。
7. 以上の情報をもとに営業プロセスを再設計する
ステップ6が完了したら、ここまで整理した情報をもとに、営業プロセスの再設計を行いましょう。再設計の際は、見える化した営業プロセスだけでなく、顧客の標準的な購買プロセスを明らかにしておくとより効果的です。
そのためには、既存顧客へのアンケート調査実施や、営業ツールを活用した購買プロセスの可視化をおすすめします。購買プロセスを可視化できる営業ツールについては、『【2025年最新版】営業ツール30選 | 営業の成果を最大化するツール厳選』で解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
8. 継続的なフィードバック・改善を行う
最後のステップとして、継続的なフィードバックと改善を行い、営業プロセスの見える化のPDCAサイクルを回していきましょう。その際に、合わせて行うと効果的なのが「営業分析」です。
『永久保存版】営業におけるデータ分析方法を徹底解説 | ポイントと手法』では、営業分析のポイントやフレームワークについて詳しく解説しているので、本記事を合わせてご覧ください。
|営業プロセスを見える化するときの注意点

営業プロセスを見える化するにあたって、注意すべき点は「見える化で終わらせない」です。多くの営業責任者は見える化の重要性を認識し、実行します。
しかし、その取り組みの多くが見える化で終わってしまい、「営業プロセスの見える化を通じて営業改善に取り組む」という本質的な目的を果たせていません。
だからこそ、営業プロセスの見える化では「1. 見える化のスコープを明確にする」がとても重要です。見える化のスコープ(目的・目標・範囲)を明確にした上で、営業プロセスの再設計、必要なデータの収集や営業ツールの導入といった、「見える化の先」まで考えながら取り組んでいきましょう。
|営業プロセスを見える化したらツール導入を考えよう

営業プロセスの見える化にあたって、営業ツールやインサイドセールスツールの導入を検討してみてください。これらのツールは、営業・マーケティングの自動化や情報管理の一元化、コミュニケーションの円滑化など、営業部門が抱えているさまざまな課題を解決できます。
また、営業資料上の顧客行動データをAIで収集・分析するGRiX(グリックス)のように、「営業活動で足りなかった情報のピース」を補完できるツールも存在します。営業プロセスの見える化とその後の営業改善をより効果的なものにするためにも、見える化のスコープに合わせた営業ツールやインサイドセールスツールの導入をぜひご検討ください。
|まとめ

最後に、営業プロセスの見える化は単発的な取り組みで終わるのではなく、継続的な取り組みによって、営業活動をアップデートし続けることが大切です。
時代やビジネス、顧客、会社と従業員の関係性、あらゆる環境の変化に合わせた最適な営業プロセスを模索し続ける姿勢こそが、見える化を成功へと導くポイントだと言えます。ぜひこの機会に、本記事を参考に営業プロセスの見える化に取り組んでみてください。
