目次
- |営業の属人化はナゼ起こる?5つの原因
- 原因1. 組織として営業活動に取り組む姿勢がない
- 原因2. 営業情報を共有する環境が整っていない
- 原因3. 営業ノウハウを共有する文化が育っていない
- 原因4. 営業スキルが言語化されず暗黙知のまま
- 原因5. 新人教育のやり方が担当者に依存している
- |営業の属人化を早急に解決すべき理由とは
- 売上が一部の営業パーソンに依存してしまう
- 実績トップが転職すれば貴重な営業ノウハウを失う
- 業務引き継ぎに時間がかかり問題が発生しやすい
- 営業部門全体でのパフォーマンス改善ができない
- 余計な営業改善に時間を浪費してしまう
- 顧客ごとに最適な提案ができず競争力を失う
- 新人営業が育ちにくく教育コストがかさむ
- |営業の属人化を解決する8つの対策方法
- 対策1. 「営業の組織化」をスローガンにする
- 対策2. 属人化解決に向けて目的・目標を立てる
- 対策3. 営業プロセスの見える化を行う
- 対策4. 現状課題の整理し必要な施策を考える
- 対策5. 情報共有の環境・仕組みを整える
- 対策6. 営業ノウハウを共有する文化を育てる
- 対策7. 営業の評価制度を見直す
- 対策8. 営業ツールの導入を検討する
- |営業の属人化解決は1日にして成らず!継続的な取り組みを
- |まとめ

多くの営業部門に見られる課題の一つが、「営業の属人化」です。営業の情報・スキル・ノウハウが営業パーソンごとに依存し、それにより営業活動でさまざまな弊害が起きやすくなる状態を指しています。
顧客ごとに最適な営業活動が求められる今、営業の属人化に悩まされている営業部門は多いでしょう。そこで本記事では、営業の属人化がなぜ起こるのか?その原因と対策方法をご紹介します。「営業の属人化をなんとかしたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
|営業の属人化はナゼ起こる?5つの原因

営業の属人化が起こる原因は、主に5つあります。まずは、営業部門の現状と照らし合わせながら、営業の属人化がナゼ起こるのかを整理していきましょう。
原因1. 組織として営業活動に取り組む姿勢がない
営業部門において、「組織として営業活動に取り組む姿勢がない」場合、営業の属人化が起こりやすくなります。
営業の属人化を排除し、それに付随するさまざまな課題を解決するためには、「組織的な営業に取り組むこと」が根本的な解決策になります。そうした姿勢を持っていない営業部門においては、ほとんどの場合、営業の属人化が起こっています。
原因2. 営業情報を共有する環境が整っていない
営業部門全体として営業情報を共有する環境が整っていない場合は、営業の属人化が往々にして起こります。
営業情報などを営業部門全体で共有することは、属人化を防ぐだけでなく、営業パーソンごとのスキルアップにも欠かせない要素です。したがって、営業情報を共有する環境が整っていない営業部門では、営業の属人化が起こるだけでなく、「営業力の底上げができない」といった課題を抱えることになります。
原因3. 営業ノウハウを共有する文化が育っていない
営業情報を共有する環境はテクノロジー(営業ツールなど)で解決できますが、営業ノウハウを共有する営業部門をつくるには、共有文化を育てる必要があります。
そのため、営業ノウハウを共有する文化が育っていないことも、営業の属人化を引き起こす原因の一つとなります。
原因4. 営業スキルが言語化されず暗黙知のまま
従来の営業部門は、営業スキルが言語化されないまま営業活動が行われ、営業プロセスなどは個々の営業パーソンに依存している状態でした。
そのため、営業パフォーマンスを売上実績だけでしか判断できず、正しい人事評価を下せないためにさまざまな弊害が生じてしまいます。
原因5. 新人教育のやり方が担当者に依存している
新人教育のやり方が担当者ごとに依存していると、新人ごとに異なる営業スキルやノウハウを身につけることになり、営業の属人化を根本から解決することが難しくなります。
営業部門としては、これまでの営業活動と成果から正しい営業プロセスを構築し、体系化し、誰もが同じように営業スキルやノウハウを学べる環境を整える必要があります。
|営業の属人化を早急に解決すべき理由とは

ここでは、なぜ営業の属人化を早急に解決すべきなのか、その具体的な理由をご紹介します。営業の属人化が引き起こす弊害を改めて認識し、属人化の解決に向けたマインドを作りましょう。
売上が一部の営業パーソンに依存してしまう
属人化が起こっている営業部門のほとんどは、売上の大部分を、一部の営業パーソンに依存してしまっています。そのため、トップの営業パーソンが外部に流出すれば、貴重な売上の大部分を失うことになります。
この弊害が起こす問題は、それだけではありません。売上の大部分を一部の営業パーソンに依存すると、特定の営業パーソンが必要以上に優遇され、その他の営業パーソンが冷遇されるという構図をつくる原因にもなります。
いわゆる「ブラック企業体質」を生んでしまう可能性すらあるため、営業の属人化を早急に解決し、「誰もが売れる営業部門」を目指す必要があります。
実績トップが転職すれば貴重な営業ノウハウを失う
実績トップの営業パーソンは、売上を持っているだけでなく、営業部門にとって貴重な営業ノウハウを所有しています。その営業パーソンが転職をすれば、貴重な営業ノウハウを失うことになるため、営業の属人化を早急に解決しなければいけません。
IT業界には「車輪の再発明」という言葉があります。これは、既製品として使えるものが存在するにもかかわらず、そうとは知らず(あるいは知っていながら)同じものを再発明しようとする行為を意味します。
営業の属人化によって貴重な営業ノウハウを失えば、早い段階で情報共有に取り組んでいれば得られた営業ノウハウも、「車輪の再発明」を行う羽目になってしまうでしょう。
業務引き継ぎに時間がかかり問題が発生しやすい
終身雇用時代が終わり、日本でも転職するのが当たり前になった時代です。自社の営業パーソンが、より良い環境を求めて転職するのを止めることはできません。
転職が当たり前になると人材が流動的になるため、経済全体では良い影響をもたらします。しかし、属人化が起こっている営業部門では、業務の引き継ぎに必要以上の時間がかかるという問題が発生します。
また、引き継ぐべき情報が整理されていないなどの問題も生じやすく、当該営業パーソンが転職するまでに業務引き継ぎが完了しないケースも少なくありません。
営業部門全体でのパフォーマンス改善ができない
営業の属人化が起こっている営業部門では、営業パフォーマンスを正しく計測できず、営業部門全体でのパフォーマンス改善ができない傾向にあります。
近年では多くの企業が組織的な営業に取り組んでおり、これによって競争優位性の獲得を目指しています。しかし、いざ組織的な営業に取り組もうと考えても、営業の情報・スキル・ノウハウが属人化していると、組織的な営業はかなり難しくなります。
無理に取り組んでも、営業部門全体でのパフォーマンスの把握・改善が行えないため、結果としてプロジェクトが頓挫するケースが少なくありません。
余計な営業改善に時間を浪費してしまう
営業の属人化が起こっている営業部門では、現状抱えている営業課題を把握することが難しくなります。結果として余計な営業改善に時間を費やし、貴重なリソースを浪費することになります。
顧客ごとに最適な提案ができず競争力を失う
顧客情報を営業部門全体で共有している場合は、過去の提案事例も参考にしながら、顧客ごとに最適な提案を行いやすくなります。
一方で、営業の属人化が起こっている営業部門では顧客情報を共有することが難しく、顧客ごとに最適な提案ができなくなるのも大きな問題です。これによって競争力を失えば、売上目標を達成するのは難しくなります。
また、異なる営業パーソンが同じ顧客に営業をかけてしまうなど、企業の信頼性を損ねるような事態が起こる可能性もあります。
新人営業が育ちにくく教育コストがかさむ
過去の営業情報をデータベースとして管理している営業部門では、新人営業が能動的に情報収集をした上で、営業活動に臨むことができます。成功事例を参考にしながら顧客ごとに提案資料を作成したり、顧客との関わり方について考えたり、こうした環境が新人営業を育てやすくします。
一方で、営業の属人化が起きている環境では、新人営業が参考にできる営業情報が少なく、上司や先輩社員からのアドバイスも勘に頼ったものになりがちです。こうした環境では新人営業が育ちにくく、結果として教育コストがかさんでしまいます。
|営業の属人化を解決する8つの対策方法

営業の属人化を解決する方法は、8つあります。ここでは、その解決方法を具体的に紹介するので、営業の属人化が起きている(起きているかもしれない)営業部門は、ぜひこれらの解決方法を取り入れてみてください。
対策1. 「営業の組織化」をスローガンにする
営業の属人化を解決するためにまず大切なことは、「営業の組織化」をスローガンにすることです。営業の属人化の解決には組織的な営業が欠かせません。組織的な営業とは、営業活動の仕組みを組織として構築し、営業部門を一つのチームとして営業に取り組むことです。
組織的な営業な営業を実現できれば、属人化から脱せられるだけでなく、マネジメントが行き届きやすくなり、営業パーソンごとのパフォーマンスを向上できる可能性も大きくなります。「営業の属人化を解決したい」と考えたら、まずは営業の組織化をスローガンとして、組織的な営業をどのようにして実現していくかを考えることが重要です。
対策2. 属人化解決に向けて目的・目標を立てる
「営業の組織化」をスローガンにしたら、営業の属人化解決に向けての目的・目標を立てましょう。「組織的な営業を始めよう」と考えても、場当たり的に取り組んでしまっては、組織的な営業を取り入れるのは困難です。
そこでやるべきは、営業の属人化解決に向けての目的・目標を立て、関係者全員が共通認識を持った上で、組織的な営業づくりに取り組むことです。具体的な目的・目標は、「5W1H」で決めていきましょう。
<5W1H>
誰が(Who)
何を(What)
いつ/いつまで(When)
どこで(Where)
なぜ(Why)
どのように(How)
目的・目標を設定するときは、関係者全員が同じように認識できるように、明確な数字・期間をもって設定するのがポイントです。
対策3. 営業プロセスの見える化を行う
次に、現状の営業プロセスの見える化を行いましょう。営業の属人化が起こっている営業部門がこれを解決するためには、営業プロセスそのものの再構築が必要になるケースが多いです。
そのため、まずは現状の営業プロセスを見える化した上で、属人的な部分を排除する必要があります。見える化のステップは次のとおりです。
見える化のスコープを明確にする
営業プロセスのフロー図を作成する
プロセスごとの業務を要素分解する
重要な業務とそうでない業務を分ける
必要なデータやツールを明確にする
排除・統合・交換・簡素化を検討する
以上の情報をもとに営業プロセスを再設計する
継続的なフィードバック・改善を行う
詳しくは以下の記事でご紹介しているので、本記事と合わせて参考にしてみてください。
対策4. 現状課題の整理し必要な施策を考える
営業プロセスを見える化したあとは、営業部門が抱えている現状課題を整理しましょう。多くの営業部門は、属人化以外にも次のような課題を抱えています。
営業成績の個人差が激しい
顧客行動を可視化できていない
営業の人材育成がうまくいかない
コア業務にかけられる時間が少ない
新規顧客開拓が難航している
こうした営業課題は独立したものではなく、密接に関係しているケースが大半です。たとえば、営業の属人化を解決できれば、「営業成績の個人差が激しい」「顧客行動を可視化できていない」などの解決にもつながります。
そのため、現状課題を整理するときは、課題ごとにどのようなつながりがあるかを考えながら整理することが大切です。現状課題の整理については、以下の記事でご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
対策5. 情報共有の環境・仕組みを整える
次に、営業部門における情報共有の環境・仕組みを整えていきましょう。情報共有環境は、営業ツールやコミュニケーションツールの導入で解決できることが多いです。ただし、ツールを導入するだけでは情報共有が進まないため、「自然と情報共有される仕組み」をつくることが重要となります。
たとえば、営業情報を蓄積・共有するためにSFA/CRMを導入しても、営業パーソンがSFA/CRMに情報を入力する仕組みがなければ、情報共有は進みません。「SFA/CRM上での日報を義務化」「承認フローをオンラインで構築する」といった仕組みを考え、営業部門で情報を構築・共有する仕組みをつくりましょう。
対策6. 営業ノウハウを共有する文化を育てる
情報共有の環境・仕組みを整えるのと同等に重要なのが、「営業ノウハウを共有する文化を育てる」ことです。ただし、特定の営業部門においては、この文化を育てるのが難しい場合があります。
なぜなら、営業パーソンによっては「営業ノウハウは知的財産であり他人に共有してはいけない」という気持ちが強く、自身の営業ノウハウの共有に強い抵抗を感じる人も多いからです。
したがって、営業ノウハウを共有することのメリットを丁寧に伝えた上で、定例会議で成約につながった提案資料を共有するなど、小さいところから営業ノウハウを共有する文化を育てていく必要があります。
対策7. 営業の評価制度を見直す
営業の属人化を解決するためには、営業の評価制度を見直す必要もあります。具体的には、売上実績だけを評価基準にしていた従来の評価基準を、大きく変えなければいけません。
売上実績は営業において重要な評価基準です。しかし、組織的な営業ではさまざまな営業パーソンが協力しながら、一つの売上を生み出しています。そのため、クロージングに関わった営業パーソンだけでなく、そこに至るまでの営業パーソンの協力・実績も評価する必要があります。
たとえば、貴重な営業ノウハウを共有した営業パーソンは、営業部門の利益率向上やコストダウンに貢献しています。営業の評価制度を多角化することにより、売上実績以外の評価基準をつくり、営業パーソンごとの成果を正しく評価できるようにしましょう。
対策8. 営業ツールの導入を検討する
営業ツールの導入は、営業の属人化をスピーディに解決できる可能性があります。
たとえば、顧客情報の管理・共有を促進するSFA/CRM、オンラインでのコミュニケーションを促進するWeb会議/Web商談ツール、顧客との商談内容を見える化・共有しやすくする音声解析AIツールなど、さまざまな営業ツールが提供されています。
必要に応じて適切な営業ツールを導入することで、営業の属人化を解決しやすくなるので、導入を検討してみましょう。以下の記事では、おすすめの営業ツールを一挙に紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
|営業の属人化解決は1日にして成らず!継続的な取り組みを

営業の属人化を解決するために最も大切なのは、「継続的な取り組みによって恒久的な解決を目指すこと」です。営業の属人化は創造以上に根深い問題であり、一朝一夕で解決できる課題ではありません。
前述した「営業の属人化を解決する8つの対策方法」を一つひとつ取り入れていくだけでも、1〜3ヶ月ほどの期間がかかります。その後も、営業の属人化を解決するための施策を継続的に評価して、PDCAサイクルを回していかなければいけません。
したがって、「営業情報を部門で共有しよう」「営業ツールを導入しよう」と行動に移したからといって、営業の属人化がすぐに解決するものではないことを、念頭に置いておくことが大切です。
|まとめ

本記事でご紹介した、営業の属人化が起こる原因とその解決方法を、改めてまとめておきます。
<属人化が起こる原因>
組織として営業活動に取り組む姿勢がない
営業情報を共有する環境が整っていない
営業ノウハウを共有する文化が育っていない
営業スキルが言語化されず暗黙知のまま
新人教育のやり方が担当者に依存している
<属人化の解決方法>
「営業の組織化」をスローガンにする
属人化解決に向けて目的・目標を立てる
営業プロセスの見える化を行う
現状課題の整理し必要な施策を考える
情報共有の環境・仕組みを整える
営業ノウハウを共有する文化を育てる
営業の評価制度を見直す
営業ツールの導入を検討する
営業の属人化解決に向けてやるべきことはシンプルですが、前述のように、「継続的な取り組み」が大切です。営業の属人化に悩まされている方は本記事を参考に、属人化解決に向けたアクションを起こしてみてください。
