目次
- |リレーションシップ営業とは?
- |リレーションシップ営業が欠かせない理由
- 情報化社会により営業の役割が変化している
- 新規顧客獲得よりもLTV向上の方がROIが高い
- 案件のデータ蓄積・分析が行いやすくなる
- 激化する市場競争の中で競争優位性を獲得する
- |リレーションシップ営業を取り入れる6つのステップ
- 1. 導入の目的・目標を明確にする
- 2. 営業プロセスの見える化・再構築を行う
- 3. 管理すべき顧客情報の種類・範囲を決める
- 4. 顧客情報の一元管理を行う(CRM導入)
- 5. 目標・施策に応じたKPIを設定する
- 6. 施策を始めてPDCAサイクルを回す
- |リレーションシップ営業の成功ポイント
- リレーションシップ営業の理解を得る
- 成果見込みの高い顧客から取り組む
- 成功・失敗体験を分析して改善に役立てる
- 「商品やサービスを売り込む」意識をなくす
- 徹底した顧客理解に努める
- メディアを活用して信頼を得る
- 必要に応じて営業ツールを活用する
- 継続して信頼関係構築に取り組む
- |まとめ

顧客との関係性構築を重点におくリレーションシップ営業、BtoB営業や高額商品・サービスを取り扱っている企業において、有効性の高い営業手法です。とはいえ、リレーションシップ営業を取り入れるステップや成功ポイントを押さえておかなければ、導入に失敗するケースが少なくありません。
そこで本記事では、リレーションシップ営業とは何か?という基本に始まり、リレーションシップ営業の導入ステップや成功ポイントをご紹介します。「リレーションシップ営業を取り入れて高い売上目標を達成したい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
|リレーションシップ営業とは?

リレーションシップ営業(Relationship Sales/Relationship Selling)とは、顧客と良好な関係を築くことに重点をおき、中長期的なかかわり合いを目指す営業手法です。
従来の営業手法は「商品やサービスを売って終わり」となるケースが多く、顧客との継続的な関係構築までは考慮されていません。そのため、新規顧客獲得を追い続ける必要があり、体力を消費するばかりの営業手法でした。
近年ではこうした営業手法は見直され、「顧客一人ひとりともっと向き合い、顧客から得られる利益を最大化させる」という取り組みが増えています。その取り組みの一つがリレーションシップ営業であり、営業部門としての体力を維持しながら、利益の最大化も目指せる営業手法となっています。
|リレーションシップ営業が欠かせない理由

リレーションシップ営業が欠かせない理由は、主に4つあります。ここではその理由を解説するので、これらを把握した上でリレーションシップ営業に取り組んでいきましょう。
情報化社会により営業の役割が変化している
情報化社会(ビジネスのデジタル化)により、営業の役割は大きく変化しています。従来の営業は、多くの企業にとって貴重な情報源であり、自社の課題を解決するソリューションをもたらす存在でした。
しかし、情報化社会が進んだことで、誰もが欲しい情報を欲しいときに入手できる時代が到来しました。これにより営業に会わずとも、情報収集や課題の把握、ソリューションの検討」が容易になっています。
今は企業にとっての営業は貴重な情報源ではなく、自社が求めるソリューションを導入・購入するための「窓口」になりつつあります。こうした環境下で、自社の商品やサービスを効果的にアピールするためには、顧客と長期的かつ良好な関係を築かなければいけません。
新規顧客獲得よりもLTV向上の方がROIが高い
新規顧客を獲得するコストは、既存顧客に費やすコストの5倍かかると言われています。つまり、既存顧客に積極的に営業を行い、アップセル・クロスセルや長期的なビジネス関係をつくることの方が、ROI(費用対効果)が圧倒的に高いのです。
もちろん、新規顧客獲得は事業拡大に欠かせない取り組みですが、足元の取り組みで売上を拡大できる既存顧客への営業も、極めて大切な取り組みです。
案件のデータ蓄積・分析が行いやすくなる
リレーションシップ営業によって顧客との長期的な関係構築を目指すということは、顧客ごとの情報を今まで以上に蓄積・管理することを意味します。これにより、顧客情報や案件のデータを蓄積・分析しやすくなり、より良い営業活動に向けた分析基盤を整えられるようになります。
もっとも、そのためにはSFA/CRMなど営業情報を一元管理する環境が欠かせません。以下の記事では、おすすめの営業ツールについて紹介しているので、本記事と併せてぜひ参考にしてみてください。
激化する市場競争の中で競争優位性を獲得する
デジタル化や革新的な技術が登場する中、さまざまな業界で市場競争が激化しています。とりわけ、デジタル技術をネイティブに用いるような新興企業には注意が必要であり、「気づいたら市場シェアを奪われていた」というケースも少なくありません。
こうした市場で競争優位性を獲得するためにも、リレーションシップ営業によって顧客と良好関係を築き、「自社の商品やサービスが選ばれやすい状態」をつくる必要があります。
以上が、現代ビジネスにおいてリレーションシップ営業が欠かせない4つの理由です。
|リレーションシップ営業を取り入れる6つのステップ

続いて、リレーションシップ営業を取り入れる6つのステップをご紹介します。ステップごとのポイントを押さえて、適切なリレーションシップ営業導入を目指してみてください。
1. 導入の目的・目標を明確にする
最初のステップでは、リレーションシップ営業を導入する目的・目標を明確にしましょう。最終的な目的・目標は「売上アップ」ですが、より具体的な目的・目標を決めることで、関係者の共通認識として、チーム全体でリレーションシップ営業に取り組むことができます。
たとえば、「顧客エンゲージメントを2倍にアップさせる」を目的とした場合は、それに合わせた数字的な目標を設定してみましょう。導入の目的・目標はシンプルであるほど関係者間で共有しやすく、日々の営業活動で意識しやすくなります。
2. 営業プロセスの見える化・再構築を行う
次のステップでは、営業プロセスの見える化を行い、リレーションシップ営業に即したプロセスへと再構築しましょう。営業プロセスの見える化から再構築までのステップは、次のとおりです。
見える化のスコープを明確にする
営業プロセスのフロー図を作成する
プロセスごとの業務を要素分解する
重要な業務とそうでない業務を分ける
必要なデータやツールを明確にする
排除・統合・交換・簡素化を検討する
以上の情報をもとに営業プロセスを再設計する
継続的なフィードバック・改善を行う
詳しくは、以下の記事で解説しているので本記事と合わせて参考にしてみてください。
3. 管理すべき顧客情報の種類・範囲を決める
次のステップでは、リレーションシップ営業で管理すべき顧客情報の種類と範囲を決めましょう。リレーションシップ営業を機能させるためには、営業部全体で同じ顧客情報を管理する必要があります。
そのためにも、どういった情報を管理するか?どこまで情報を管理するか?のルールを明確にして、営業部全体で共有しましょう。また、リレーションシップ営業は組織的に取り組む方が成功しやすいため、営業パーソン同士の情報共有環境と共有文化を育てることも大切です。
4. 顧客情報の一元管理を行う(CRM導入)
次のステップでは、顧客情報の一元管理を始めましょう。具体的にはCRM(Customer Relationship Management)を導入し、事前に決めたルールに従って顧客情報を管理していきます。
リレーションシップ営業といえばCRM導入が真っ先に思い浮かびますが、近年ではSFA(Sales Force Automation)やABM(Account Based Management)といった営業ツールの、リレーションシップ営業で大いに活用できます。このため、営業部門の環境に応じて、適切な営業ツールを導入することが大切です。
5. 目標・施策に応じたKPIを設定する
次のステップでは、リレーションシップ営業の目標や施策に応じたKPIを設定しましょう。KPIとは「Key Performance Indivator」の略であり、日本語では「重要業績指標」を意味します。

KPIを設定するときは、以下のステップに沿って進めてみましょう。
営業プロセスを可視化する
実績と目標を整理する
目標達成の成功要因を整理する
目標達成に必要な施策を考える
施策に関連したKPIを設定する
定期的にKPIの見直し・改善を行う
詳しくは以下の記事で解説しているので、本記事と合わせて参考にしてみてください。
6. 施策を始めてPDCAサイクルを回す
最後のステップとして、リレーションシップ営業の施策を始め、PDCAサイクルを回していきましょう。リレーションシップ営業は短期間で成功する営業手法ではないため、継続的なPDCAサイクル(計画→実行→検証→改善)を回して、少しずつ理想的な姿に近づけていく必要があります。
|リレーションシップ営業の成功ポイント

それでは最後に、リレーションシップ営業を成功させるためのポイントを、8つご紹介します。一つひとつのポイントは難しいものではないので、積極的に取り入れ、リレーションシップ営業の成功を目指してみてください。
リレーションシップ営業の理解を得る
最初のポイントとして、リレーションシップ営業のメリット・デメリットも含めて、経営層や現場の営業パーソンから理解を得ましょう。そもそも、リレーションシップ営業は組織的な営業手法なので、営業部長を含めた経営層の理解を得なければ進められないケースが多々あります。
また、現場の営業パーソンからすれば従来の営業手法がガラッと変化するため、メリット・デメリットや取り組み意義を丁寧に説明し、理解を得た上で取り組む必要があります。このポイントを疎かにしてしまうと、リレーションシップ営業の導入を早々に諦める結果になる可能性が高いので、注意してください。
成果見込みの高い顧客から取り組む
いざリレーションシップ営業を導入したら、成功見込みの高い顧客から取り組んでみましょう。経営層や現場の営業パーソンに対して、「リレーションシップ営業は優れた営業手法である」ことを証明するためにも、早い段階で成功体験をつくる必要があります。
成功体験といっても、小さなものでも問題はありません。大切なのは、経営層や現場の営業パーソンに対してリレーションシップ営業の有効性を明示することです。また、「何をもって成功とするか?」を事前に定義し、数字として成功したことをアピールできるようにするのが理想です。
成功・失敗体験を分析して改善に役立てる
リレーションシップ営業に取り組んでいると、成功することもあれば、失敗することもあります。大切なのは成功体験と失敗体験、どちらの事例もしっかりと分析した上で、次のリレーションシップ営業に役立てることです。
そのためにも、リレーションシップ営業におけるKPI設定はしっかりと行いましょう。KPIはリレーションシップ営業の成果を測定する数字的指標なので、正しいKPI正しいがなければ、リレーションシップ営業の成否を判断することが難しくなります。
「商品やサービスを売り込む」意識をなくす
リレーションシップ営業に取り組む営業部門にとって、最も難しいポイントは「商品やサービスを売り込む」意識をなくすことです。営業は商品やサービスを売るのが使命ですから、売り込む意識をなくすためには、相当な意識改革が必要になります。
しかし、リレーションシップ営業は顧客と長期的な関係を構築し、顧客の悩み・課題に耳を傾け、関係を維持しながら最適なソリューションを提案する営業手法です。そのため、「商品やサービスを売り込む」意識を持ったままでは、リレーションシップ営業の成功は難しくなります。
「商品やサービスを売り込む」意識をなくすためには、定期的な勉強会などを開催し、営業パーソンの意識に繰り返し刷り込む必要があります。
徹底した顧客理解に努める
リレーションシップ営業では「商品やサービスを売り込む」意識をなくすだけでなく、徹底した顧客理解に努める必要があります。そのため、「売上から遠ざかっているのでは?」と感じることも多いでしょう。
とはいえ、情報化社会によって営業の役割が大きく変化しているため、リレーションシップ営業で顧客理解を深めることは、実は理にかなった営業手法です。ましてや、あらゆる商品やサービスが飽和状態にある現代ビジネスにおいて、多くの企業は信頼性があり自社に寄り添ってくれる営業を求めています。
メディアを活用して信頼を得る
リレーションシップ営業の成功率を高めるために、メディアを活用してより強固な信頼を得ていきましょう。たとえば、オウンドメディア(企業のブログサイト)を運営して顧客にとって有益な情報を発信し続ければ、顧客からの信頼を獲得しやすくなり、市場において高い競争優位性を獲得できるようになります。
オウンドメディアの他にもSNSやメルマガなど、信頼を獲得するためのメディアは多種多様なので、営業部門ごとに最適なメディアを活用していきましょう。
必要に応じて営業ツールを活用する
リレーションシップ営業の成功には、営業ツールの活用が欠かせません。たとえば、CRM/SFA/ABMといった営業ツールを導入すれば、従来よりも高度な営業プロセスを構築でき、顧客との良好な関係を構築しやすくなります。
あるいは、GRiX(グリックス)のように営業資料を見える化する営業ツールも効果的です。GRiXは営業資料をWeb上で共有することで、顧客が資料のどこをどのように読み、何に興味・関心を示しているかをAIが見える化してくれます。
以下の記事では、リレーションシップ営業に役立つ営業ツールを紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
継続して信頼関係構築に取り組む
最後の成功ポイントは、継続して顧客との信頼関係構築に取り組み、段階的なリレーションシップ営業の成功を目指すことです。リレーションシップ営業は一朝一夕で成るものではないため、継続的な取り組みと、PDCAサイクルを回すことが欠かせません。
リレーションシップ営業を導入する前から、「継続的な取り組みが必要になる」ことを念頭に置き、導入後のPDCAサイクルまで視野に入れた計画を立てましょう。顧客との信頼関係構築については、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
|まとめ

リレーションシップ営業は適切に導入し、継続的な分析・改善を行えば、必ず成果の出る営業手法です。導入・運用に成功すれば、従来の営業手法に比べて少ないリソースで最大限の成果を得られるようになります。
リレーションシップ営業の導入に興味がある方は、本記事を参考に、まずは経営層や現場の営業パーソンからの理解を得ることを重視しながら導入を進めてみてください。
