目次
- |売れる営業の話し方の特徴8つ
- 1. 声のトーンや話すスピードを相手に合わせている
- 2. 結論ファーストで話している(例外もあり)
- 3. メリットではなくベネフィットを伝えている
- 4. デメリットやリスクもしっかりと伝える
- 5. 話す姿勢・声の張りで自信があるように見せている
- 6. 専門用語を使わずわかりやすい言葉だけを使っている
- 7. 質問は二択で答えられるものを用意している
- 8. 商談に入る前に相手のイエスを引き出す
- |売れる営業の話し方を習得する方法
- 商談を急がず信頼関係構築を優先する
- 自分の話し方の特徴・クセを知る
- 売れる営業の商談・会議などに同席する
- 繰り返しトークの練習をする
- |営業ツールで売れる営業の話し方が身につく
- |まとめ

売れる営業と売れない営業、両者の違いの一つは「話し方」にあります。売れる営業は話し方で自信や信頼感を演出し、相手の真意を引き出すのに長けているのです。そこで本記事では、売れる営業の話し方の特徴と、それらを習得するコツをご紹介します。売れない営業の育成に悩んでいる営業マネージャーや、売れる営業になるための話し方を習得したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
|売れる営業の話し方の特徴8つ

それではさっそく、売れる営業の話し方の特徴8つをご紹介します。これらの特徴は、売れる営業の多くに共通しています。一方で、売れない営業には当てはまらない特徴なので、部下や自分の話し方と照らし合わせてみてください。
1. 声のトーンや話すスピードを相手に合わせている
1つめの特徴は、声のトーンや話すスピードを、相手方に合わせていることです。
「それだけで売れる営業になるの?」と疑問を持つ方も多いでしょう。声のトーンや話すスピードを相手に合わせるのは、心理学における「ミラーリング」や「ペーシング」と呼ばれるコミュニケーション手法であり、短時間で相手の警戒心を解く効果があるとされています。
ミラーリングとは:相手の姿勢や表情、動作などを真似する
ペーシングとは:相手の声のトーンや話すスピードを真似する
これらのコミュニケーション手法は、自分と似ている言動をする人に対して親近感を抱きやすい心理を応用したものです。売れる営業は知ってか知らずか、ミラーリングやペーシングといった手法を、会話の中に自然と取り入れています。
また、声のトーンや話すスピード、姿勢や表情だけでなく「言葉のクセ」を真似るのもポイントです。たとえば、仕事上の悩みを「課題」と表現する相手に対しては、同じく「課題」を用いるようにしましょう。相手が「課題」と表現しているのに、自分は「問題」と表現するなど、言葉のクセを合わせなければ会話の端々で相手に疑問符を浮かべさせることになります。
こうした、会話の小さなストレスの積み重ねが営業と顧客の信頼関係に影響するので、「どんなに細かいところも相手に合わせてみる」という姿勢が大切です。
2. 結論ファーストで話している(例外もあり)
2つめの特徴は、結論ファーストでわかりやすい話し方を心がけていることです。
結論ファーストとは、話の要点を先に伝えて、その後に説明・具体例などを並べていく話し方です。基本としては「結論」「理由(説明)」「背景(具体例)」の順番に伝えることで、わかりやすい話し方ができます。
たとえば、相手が抱えているビジネス上の悩みに対して自社の商品・サービスをアピールしたいなら、次のように伝えます。
「見込み客の検討度合いを可視化したい」というお悩みがあるんですね。それならば、弊社の「GRiX(グリックス)」という製品で解決できます。GRiXは営業資料をメール等で共有するのではなく、Web上でお客様と共有します。営業資料をどのように読まれているかをAIが解析し、検討度合いを可視化してくれます。たとえば、弊社クライアントの〇〇のケースですと〜
要点を先に伝えると、その後の理由・背景といった話が頭に入りやすくなります。相手に与える会話のストレスを限りなく軽減できるため、「話がわかる営業」「信頼できそうな営業」といった印象を与えやすくなります。
一方で、時間に余裕のある相手に対しては結論ファーストではなく、「背景(具体例)」「理由」「結論」という逆順で話し、ストーリー性を持たせるのが効果的です。話にストーリー性を持たせることで、相手の期待感を高めながら商品やサービスをおすすめできるといったメリットがあります。
結論ファーストで話すか逆順で話すかは、「相手に時間的・精神的余裕があるかどうか」を、しっかりと見極めてから決めましょう。
3. メリットではなくベネフィットを伝えている
3つめの特徴は、自社の商品やサービスが持っているメリットではなく、ベネフィットを伝えていることです。ここで、メリットとベネフィットの違いを整理しましょう。
メリット | ベネフィット | |
言葉の意味 | 長所、優れている点 | 利益になること |
視点 | 自社視点 | 顧客視点 |
価値基準 | 機能的価値 | 情緒的価値 |
メリットは商品やサービスが持つ長所であり、ベネフィットは「商品やサービスを通じて顧客が得られる利益」のことです。
たとえば、営業ツールのGRiX(グリックス)は営業資料をWeb上で共有することにより、営業資料のどこが・どのように・どれくらい読まれているかを可視化できます。GRiXの場合、「見込み客の検討度合いを可視化」できるのがメリットです。
一方のベネフィットは、「営業フォローの質を高めて有効商談を増やす」「営業部門全体のパフォーマンス改善を達成できる」といった点にあります。
このように、メリットとベネフィットは似ているようで大きく異なり、売れる営業はメリットよりもベネフィットを訴求することに長けています。「自社の商品やサービスを導入した未来」を想像してもらいやすいため、相手も具体的な検討を進めやすくなるのです。
4. デメリットやリスクもしっかりと伝える
4つめの特徴は、商品やサービスが持つメリット・ベネフィットだけでなく、デメリットやリスクもしっかりと伝えていることです。
心理学には「両面提示」と呼ばれる心理効果があるとされています。これは、メリットだけでなくデメリットも伝えることで、話に説得力が生まれたり、商品やサービスに対する信頼性がアップしたりする心理効果です。
1987年の研究(※)では、広告における消費者の意思決定に与える影響を調査するため、一面提示(メリットのみ)と両面提示(メリットとデメリット)の効果を比較しました。それぞれ広告を見て「商品を購入する」と回答した割合は一面提示グループの被験者で38%、両面提示グループの被験者で68%という結果を得られました。
この研究結果から、両面提示は一面提示と比べて「信頼を与えやすい」「記憶に残りやすい」と考えられています。この研究結果が示すとおり、売れる営業は商品やサービスが持つメリット・ベネフィットだけでなく、デメリットやリスクもしっかりと伝えることで、相手からの信頼を獲得しているのです。
5. 話す姿勢・声の張りで自信があるように見せている
5つめの特徴は、話す姿勢・声の張りで自信があるように見せている(演出している)ことです。
これは、相手の立場になって考えるとわかる、極めて単純な話し方のポイントです。同じ商品やサービスをすすめられるにあたって、「自信を持って話す営業A」と「自信なさ気に話す営業B」とでは、受ける印象が大きく違います。
では、売れる営業はなぜ自信があるように見えるのかというと、それは話す姿勢や声の張り、表情などから「自信を演出しているから」です。そこで、以下のポイントを意識して、自信のある話し方を演出してみてください。
姿勢をピンと伸ばして立つ・座る
聞き取りやすい声でハキハキ話す
ゆっくりと落ち着いて話す
笑顔だけでなく表情豊かに話す
会話のときは相手の目を見て話す
「えー」「あのー」などのフィラーをなくす
「〜と思います」など曖昧な表現をなくす
もちろん、営業実績を伸ばして「内面から自信を持つこと」も大切です。しかし、内面からくる自信なのか、演出された自信なのかを相手は判断できません。したがってまず重要なのは、「自信があるように演出すること」です。
「自信を演出する→相手から信頼される→受注につながる」というサイクルがあれば、結果として内面的な自信も養われていきます。
6. 専門用語を使わずわかりやすい言葉だけを使っている
6つめの特徴は、相手と話すときに専門用語を使わずわかりやすい言葉だけを使っていることです。
会話をスムーズに進める上で専門用語は欠かせません。しかしそれは社内で通用する用語であり、会社の外に一度出れば、理解されにくい専門用語が多いものです。また、売れる営業はカタカナ用語・ビジネス用語もほとんど使いません。
たとえば、「御社のオーソライズさえあれば、弊社チームはいつでもアサイン可能です」といった言葉を使っても、理解されないまま終わるケースが多いでしょう。これなら、「御社の承認さえあれば、弊社はいつでも参画(競合)可能です」とシンプルに表現する方がグッと伝わりやすくなります。
専門用語やカタカナ用語・ビジネス用語を使わずに話すことで、「話がわかりやすい」「信頼感がある」といった印象を与えられます。一方、売れない営業は専門用語やカタカナ用語・ビジネス用語を多用していることが多いので、商談のときについ使用していないか見つめ直してみてください。
7. 質問は二択で答えられるものを用意している
7つめの特徴は、二択で答えられる質問を用意して会話のテンポをつくっていることです。
営業にとって会話時間は常に限られているものなので、「相手の本音」をテンポよく引き出す必要があります。そのときに効果的なのが、「二択で答えられる質問」です。
たとえば、「現在は業務上でどのような課題を感じておられますか?」と質問をしても、「んー...」と悩ませる時間を作ってしまいます。こうした質問が多いと会話にストレスを感じるようになり、適当に答えたり、早々に切り上げようとしたり、効果的な商談の場にはなりません。
一方で、「お客様に営業資料のどこが読まれているかなど把握はされていますか?」と、「YES」または「NO」の二択で答えられる質問なら相手も即答でき、会話にテンポを生み出せます。テンポの良い会話はストレスが少ないため、そうした会話を続けていると、相手の方から「実はね、」と話を切り出してくれるケースも多いのです。
ただし、二択で答えられる質問ばかりで会話を進めると、取り調べを受けているようなストレスを感じる可能性もあるので注意してください。あくまで会話のテンポを掴むきっかけとして取り入れ、状況に合わせて話し方を変えることも大切です。
8. 商談に入る前に相手のイエスを引き出す
8つめの特徴は、商談に入る前に相手のイエスを引き出し、話をスムーズに進めていることです。
心理学には「一貫性の法則」と呼ばれる心理効果があります。これは、「言動や態度などを一貫させたい」という人間の心理傾向であり、売れる営業はこの心理効果を応用した交渉術を自然と取り入れています。
たとえば、自社の商品やサービスを説明するにあたって「弊社の〇〇は〜」といきなり話し始めるのではなく、次のようにイエスを引き出してから話を進めてみましょう。
営業:〜では、現状課題は〇〇という認識でお間違いはないでしょうか?
相手:はい
営業:もし、弊社の商品(サービス)で〇〇を解決できる場合、具体的な検討を進めていただけるでしょうか?
相手:そうですね
営業:ありがとうございます。では、弊社の〇〇についてお話しさせていただきます。
このように、ちょっとした質問で相手からイエスを引き出すだけでも、受注率がアップすることがあります。
また、相手のイエスを引き出す行為は一つひとつの物事を丁寧に確認していく作業であり、「会話を急ぎすぎない」「信頼感を与えやすい」というメリットもあるので、ぜひ取り入れてみてください。
|売れる営業の話し方を習得する方法

売れる営業の話し方の特徴は理解しても、「どのように習得すればいいかわからない」という方も多いでしょう。ここでは、売れる営業の話し方を習得する方法をご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
商談を急がず信頼関係構築を優先する
「売れる営業の話し方の特徴8つ」では、売れる営業には次のような特徴があるとご紹介しました。
声のトーンや話すスピードを相手に合わせている
結論ファーストで話している
メリットではなくベネフィットを伝えている
デメリットやリスクもしっかりと伝える
話す姿勢・声の張りで自信があるように見せている
専門用語を使わずわかりやすい言葉だけを使っている
質問は二択で答えられるものを用意している
談に入る前に相手のイエスを引き出す
これらの特徴を身につけられれば、売れる営業に近づくのは間違いありません。しかし、「商談を急いでしまう営業」は、落ち着いて現状を分析しながら話すことができないため、売れる営業の特徴はいつまで経っても身につかないでしょう。
そこでまずは、商談を急ぐのではなく、「相手との信頼関係構築」を優先しましょう。営業の信頼関係構築については、『営業が信頼関係を構築するうえで重要な5つのこと』で詳しく解説しているので、本記事と合わせてご覧ください。
自分の話し方の特徴・クセを知る
自分の話し方の特徴やクセを知る機会は少なく、「今まで自分の話し方を振り返ったことがない」という方も多いでしょう。
そこで、スマホの録音ツールやカメラなどを使用して、自分の話し方の特徴やクセを把握してみてください。その際は、以下のポイントを意識して自分の話し方をチェックしてみましょう。
声のトーンと聞き取りやすさ
声の大きさと強弱の付け方
言葉のイントネーション
話すスピードや緩急の有無
フィラーを使いすぎていないか
口をしっかり開けて話しているか
「どんな話し方が正解か?」ではなく、まずは自分の話し方の特徴やクセを冷静に分析しましょう。その上で、「どんな話し方なら伝わりやすいか?信頼感があるか?」など、客観的な視点から見つめ直してみてください。
売れる営業の商談・会議などに同席する
売れる営業の商談・会議などに同席する方法を、「シャドウイング」と呼びます。もともとは米国を中心に定着した職業教育の一つであり、学生のキャリア選択の幅を広げるためのものでした。
近年では人材教育の一環として取り入れている企業が多く、「普段とは違った視点」で物事を見られるようになったり、気づきを得られたり、人材教育において効果の高い施策の一つです。
売れない営業が、売れる営業の商談・会議などに同席することで、「自分に足りないもの」を把握するのに役立ちます。
繰り返しトークの練習をする
売れる営業の特徴を身につけるために、繰り返し営業トークを練習しましょう。その際には、次のようなツールを使用すると効果的です。
録音ツールで声の大きさや質などをチェックしながら
鏡の前で姿勢や動作、表情をチェックしながら
カメラで録画しながらトータル的にチェックしながら
ポイントとして、印刷されたトークスクリプトを読み続けるだけでは、効果が薄れてしまいます。スマホや鏡など、ツールを使用しながら「話す→フィードバック→改善」というサイクルを作るよう心がけてください。
|営業ツールで売れる営業の話し方が身につく

営業マネージャーとして部下や部門全体の営業力を高めたい方は、「営業ツールの導入・活用」も検討してみましょう。営業ツールの中には、営業活動や営業トークを分析できるツールがあるため、売れる営業の話し方を身につけやすくできます。
『【2025年最新版】営業ツール30選 | 営業の成果を最大化するツール厳選』では、営業改善に役立つ多種多様なツールを紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
|まとめ

「売れる営業にはセンスがある」と思われがちですが、ちょっとしたポイントを意識するだけで、営業の受注率は大きく変わります。話し方を改善して売れる営業になりたい(売れる営業を育てたい)という方は、本記事でご紹介した内容を参考に、売れる営業の特徴をぜひ身につけてみてください。
