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営業会議は、売上目標を達成するための貴重なコミュニケーションの場です。しかし、本来の目的から外れてしまい、意味のない営業会議をだらだらと続けてしまうケースは少なくありません。
本記事では、目標達成のための正しい営業会議の進め方と、営業会議を効果的な時間にするポイントをご紹介します。営業会議に課題を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
|営業会議の目的・役割とは?

営業会議の目的と役割は、実はとてもシンプルです。しかし、シンプルだからこそ本来の目的と役割を見失いやすく、意味のない営業会議を続けるに至ってしまいます。そこで、営業会議の目的と役割をまずは再認識しましょう。
目的:目標達成や営業の改善に向けた意思決定を下すこと
役割:目的を果たすためのディスカッションを行うこと
営業会議の内容や方向性が上記より少しでもズレていると、意味のない営業会議を続けてしまう可能性があります。次の特徴に当てはまる営業会議は、本来の目的と役割を失っているので注意してください。
意思決定者がいない(決まっていない)状態で進めている
議題が曖昧なまま話を進めている
メールなどで共有できることを議題に挙げている
不必要に参加人数が多くコミュニケーションがままならない
会議に参加すべき人が参加していない
議題に関係ない雑談が多くだらだらと時間を消費している
発言者に偏りがあり参加メンバーが意見を等しく言えていない
結論を出しているようで会議前の状態と何も変わっていない
これらの特徴に1つでも当てはまれば、営業会議の進め方・やり方を見直す必要があります。
|営業会議を効果的な進め方

それでは、営業会議の効果的な進め方をご紹介します。会議前、会議中、会議後のシーンにわけ、それぞれのステップを確認していきましょう。
会議前のステップ
1. 議題を参加メンバーに共有しておく
営業会議を効果的に進めるためにまず大切なことは、「議題を参加メンバーに共有しておく」です。議題を事前に共有しておけば、営業会議がスタートしてから議題説明にかける時間を短縮できます。
毎週の営業会議で5分短縮できると仮定すると、1ヶ月で20分、2ヶ月で240分(4時間)も短縮可能です。会議時間が毎回1時間と仮定すると、4回分も節約できます。このように、営業会議を効果的に進めるためには「細かい時間管理の感覚」を、営業マネージャーはもとより参加メンバー全員が身につける必要があります。
また、議題を事前に共有しておくと、営業会議がスタートするまでにそれぞれの考えをまとめる時間を持てるため、会議を効率よく進行できます。
2. 技術トラブルがないか確認する
Web会議ツールを使用してオンライン会議を実施するとき、あるいは一部の参加メンバーがオンラインで営業会議に参加するとき、「技術トラブルがないか」を事前に確認しておきましょう。
営業会議がスタートしてから技術トラブルが発覚し、10分間の遅延が発生したと仮定します。会議の参加人数が5人なら、10分×5人=50分の貴重な時間を浪費したことになります。
もし営業会議がスタートする前に技術トラブルがないかを確認していれば、50分もの時間を浪費することはありません。技術トラブルの確認に数分の時間はかかりますが、これは小さなリスクマネジメントとして必要な時間です。
プロジェクターを使用して営業資料などを投影する場合も、営業会議がスタートする前に、技術トラブルがないか事前に確認しましょう。
会議中のステップ
3. 会議のゴールを明確にする
議題の共有は事前に済ませていると仮定して、営業会議がスタートしたら会議のゴールを明確にすることがまず大切です。「明確にする」と言っても、これに多くの時間を消費する必要はありません。
「今回の営業会議では事前に共有しましたとおり、〇〇を議題とします。また、今回のゴールは、今期の振り返りを踏まえ、来期の売上目標、予算目標を決め、〇〇部長より承認をいただくことです」
このように、会議のゴールを言葉として明確にし、参加メンバー全員に再認識させ、ゴールに向けて会議を効率よく進めるのが目的です。「議題やゴールについて何かご質問ありますか?」と一言添えておけば、参加メンバーの共通認識をより確実なものにできます。
4. 部門と個人の営業課題を整理する
次のステップは「部門と個人の営業課題を整理する」です。前述のとおり、営業会議の目的とは「目標達成や営業の改善に向けた意思決定を下すこと」にあります。したがって、営業部門と営業パーソンの課題を整理しないまま話を進めても、効果的な会議にはなりません。
このステップで注意しなければいけないのが、「課題を整理する時間でありミスを責める時間ではない」ことです。これまで、課題整理の時間が「お説教会」に変わってしまうケースを多く見てきました。
営業会議の本来の目的や役割からそれるだけでなく、ミスを責められた人は自尊心が傷つけられる上に、他の参加メンバーにとっても意味のない時間になってしまいます。熱意ある営業マネージャーほど陥りがちなミスなので、課題整理に徹するよう心がけてください。
5. アクションプランを作成する
営業課題の整理が終わったら、アクションプラン(改善案)の作成を行いましょう。このとき、「こんな課題があるので次はこうしましょう」と会議を進めるのではなく、「課題の分析」を取り入れることが大切です。具体的には、以下の流れを参考にしてみてください。
今はこんな課題があります
課題の原因は何だろう?
原因を掘り下げて考えよう
もっと掘り下げてみよう
なるほど原因の本質はこれか
みんなでアイディアを出そう
では次はこうしましょう
このように、営業課題の整理から原因の分析と掘り下げ、分析の本質の理解、アイディア出し(ブレインストーミング)、アクションプランの作成という細かいプロセスを踏むことが大切です。
6. 各人の次のステップを明確にする
営業部門または営業パーソンのアクションプランを作成できたら、「各人の次のステップ」を明確にしましょう。営業会議は定期的に実施するものであり、会議ごとに次のステップを明確にしなければ、次の会議での振り返りができません。
営業会議の目的は「目標達成や営業の改善に向けた意思決定を下す」ことですが、営業パーソンにとって営業会議は「営業パフォーマンス向上のためのマイルストーン」になります。
定期的な会議を経て、営業が少しずつステップアップしていけるようにするのが、営業会議の理想の姿です。したがって、会議ごとに次のステップが明確になっていなければ、その目的を果たせません。
会議後のステップ
7. 議事録を素早く共有する
会議後のステップとしてまず大切なのは、「議事録を素早く共有する」です。ここで、議事録を作成・共有する意義を再認識しておきましょう。
<議事録を作成・共有する意義>
会議内容を正確に記録する
発言者を明確にする
参加メンバーの認識の相違をなくす
責任の所在を明らかにする
アクションプランを整理する
目標と期間を明確にする
次の会議に参加する前の振り返り
議事録を作成する際は、これらの意義に沿ったものでなければいけません。そのため、議事録の作成・共有が形だけにものになっていないか、再確認してみてください。また、時間のかかる議事録作成をAIで自動作成する方法もあります。
『【2025年最新版】営業ツール30選 | 営業の成果を最大化するツール厳選』では議事録作成ツールや、営業会議・営業活動の改善に役立つツールを紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
8. 会議のフィードバックを得る
営業会議が終わったら、会議の参加メンバーからフィードバックを得ましょう。毎回実施する必要はありませんが、定期的に、「今回の営業会議は有意義だったか?」といった意見を吸い上げてみてください。
実は、会議後のフィードバックを行っている営業部門は少なく、「会議そのものを改善していく」という体制がありません。前述のように、営業会議の目的は「目標達成や営業の改善に向けた意思決定を下すこと」です。つまり、営業会議は目標達成や営業改善の土台になるべき場所・時間です。
「会議そのものを改善していく」という体制がなければ、次第に土台がゆらぎ、営業会議を通じた目標達成や営業改善は難しくなります。会議の何が良かったから、あるいは悪かったか、定期的にフィードバックを得て、会議そのものを継続的に改善していく体制や文化を整えましょう。
|営業会議を効果的にするポイント

続いて、営業会議をより効果的に進めるポイントをご紹介します。各ポイントを押さえるのは難しいことではないので、次回の営業会議からぜひ取り入れてみてください。
誰もが発言できる環境をつくる
営業会議をより効果的にするためには、「誰もが発言できる環境」を作ることがまず大切です。また、「誰もが発言できる環境」を作るのは、予想よりも難しいことを営業マネージャーが理解する必要があります。
参加メンバーの発言が少ない会議には、次のような特徴があります。
アイディアを否定されることが多い
自分の発言は必要とされていないと感じる
責任者ばかり話して会議が進む
どんなアイディアも歓迎する
営業会議で誰もが発言できる環境を作るためにも、「どんなアイディアも歓迎する」姿勢を参加メンバー全員が持ちましょう。そのためにも、「他人のアイディアを否定しない」という文化を育てることが大切です。
ちなみに、否定をせずにさまざまなアイディアを出し合う会議手法を「ブレインストーミング」と呼びます。ブレインストーミングで大切なのは、アイディアの質よりも量を重視し、「どんなに小さなアイディアでも大きなアイディアを生み出す示唆がある」という考えのもと会議を進めることです。
こうした姿勢・文化はアイディア出しを効率よく進められるだけでなく、営業部門内における営業の「心理的安全性」を作る上でも欠かせません。
意思決定者が結論を出す
毎回の営業会議では必ず、意思決定者が結論を出す必要があります。また、意思決定者は必ず1人でなくてはいけません。
複数人における意思決定や情報共有に費やす時間や労力を「コミュニケーションコスト」と呼びます。このコミュニケーションコストは「人数の二乗」かかると言われており、たとえば意思決定者が2人なら1人よりも4倍、3人なら1人よりも9倍のコミュニケーションコストがかかるのです。
営業会議における意思決定で重要なのは「7〜8割の精度×スピード」です。これらを両立するには、意思決定者が2人でも多すぎます。意思決定者には大きな責任が伴いますが、営業会議をより効果的にするためには、営業マネージャーが覚悟を決めて「1人で決断(意思決定)する」ことが大切です。
参加メンバーを最低人数に絞る
前述のように、コミュニケーションコストは参加メンバーの「人数の二乗」かかると言われています。会議の参加メンバーが5人なら25倍、10人なら10倍と指数関数的にコミュニケーションコストが増えてしまいます。
したがって、営業会議の参加メンバーを最低人数に絞るようにしましょう。会議の参加メンバーを最低人数に絞ることは、トップ企業のリーダー達もその重要性を指摘しています。Amazonのジェフ・ペゾフは「ピザ2枚をシェアできる人数(7・8人)」、Appleのスティーブ・ジョブズは「3〜5人」が会議の理想的な参加人数と考えていることが広く知られています。
また、弁護士ドットコム株式会社が2023年10月に公表した社内会議の実態調査では、多くの人が会議に対して「不要な人員が多い」と感じていることが判明しています。

出典:【自社調査】ハイブリットワーク時代の社内会議の実態調査「社内会議白書2023 by MeetingBase」|弁護士ドットコム
参加メンバーを最低人数に絞るだけでも営業会議を効果的に進められるので、参加メンバーの見直しをぜひ行ってみてください。
可能な限り短時間で会議を終わらせる
前掲「社内会議白書2023 by MeetingBase」によれば、社内会議で無駄だと感じる理由の第1位は「長時間の会議」ということが判明しています。
さまざまな社内会議に参加したことで気付いたのは、多くの人が「会議は60分間」という固定観念を強く持っていることです。しかし、「会議はなぜ60分でなければいけないのか?」という問いに対して、明確な答えを持っている人はほとんどいません。
この固定観念が生み出す「会議の無駄」は想像以上に大きく、結果として営業部門のリソースを圧迫しています。営業会議の本来の目的と役割を果たせていれば会議時間は、15分でも10分でも問題はありません。
「営業会議に必要以上の時間をかけていないか?」を、改めて考えてみましょう。
メールで済む内容を議題にしない
営業会議において、メールで済む内容を議題に挙げるのは参加メンバー全員の貴重な時間を奪うことになります。しかし実情として、メールで済む内容を議題に挙げてしまう営業会議は少なくありません。
その原因は、「会議の目的と役割を全体として理解できていない」ことにあります。改めて、会議の目的と役割を整理します。
目的:目標達成や営業の改善に向けた意思決定を下すこと
役割:目的を果たすためのディスカッションを行うこと
「意思決定を下す」という目的を果たすには「ディスカッション」という役割を、営業会議において果たす必要があります。「前期の売上実績」などの情報共有は、会議本来の目的や役割からは外れてしまうので、そうした「メールで済むこと」は議題に挙げないよう注意しましょう。
誰かのミスを責める場にしない
せっかくの営業会議を、誰かのミスを責める場にしてはいけません。ミスを責められる営業は自尊心を傷つけられるだけでなく、他の参加メンバーを萎縮させることにもつながります。
「メンバーの気持ちを引き締めるために特定の人のミスをあえて責める」ということを、実践している営業マネージャーも少なくありません。そうして責められるのは得てして「数字的な営業実績の低いメンバー」です。特定の人を責め続けると、責められた人は当然自信をなくし、周囲からも「責められて当然のやつ」という目線を向けられます。
こうした環境は、「健全なパフォーマンスの高い営業部門」から程遠い姿です。営業会議では「誰かのミスを責めない」というグランドルールを作り、建設的なディスカッションを行う場にしましょう。
|まとめ

営業会議を効果的な時間にするためには、継続的に会議を見直し、改善していく体制・文化が欠かせません。本記事でご紹介した内容を参考に、この機会に営業会議の現状と在り方について、ぜひ考え直してみてください。
